アメリカの景気拡張もいよいよ終わりなのか

製造業から非製造業への波及は時間の問題

アメリカだけではなく欧州も含め、世界的に製造業マインドが落ち込んでいるというのは今年のトレンドであり、今に始まったことではない。それが大きな問題とならなかったのは「非製造業は堅調だから」という事実が免罪符のように効いていたからである。

しかし、10月3日に発表されたアメリカの9月ISM非製造業景気指数も52.6と市場予想の中心(55.0)を下回った。水準としても2016年8月以来の低水準であり、市場予想の下限(53.8)にすら届かない結果に終わった。7月から8月にかけて53.7から56.4へ上昇した分をすべて吐き出した格好である。

結局、製造業と非製造業の業況がいつまでも乖離し続けるはずがなく、やはり前者から後者への波及は始まっていると考えるべきだろう。過去1年を振り返ると、昨年は「世界経済は減速していてもアメリカ経済は堅調なので大丈夫」というムードが強く、今年は「製造業は減速しても非製造業は堅調なので大丈夫」という見方が強かったように感じられるが、非常に楽観的な想定だったと言わざるをえない。

新規受注は急落、価格の上昇も懸念材料

項目別に見ると、製造業景気指数と同様に新規受注指数(8月:60.3→9月:53.7)が急落しており、これは今後の軟調を予感させる動きである。後述するように雇用項目も軟化しており、8月の53.1から9月は50.4へ大きく下落し、2014年2月以来の低水準をつけている。

そのほかの項目も軒並み悪化が目立っているが、価格指数だけは58.2から60.0へと上昇し大台に乗せていることが目立つ。総合的な景況感が崩れる状況下、価格(ひいては一般物価)が上がり続けるような展開は考えづらいが、今月においてはややスタグフレーションを心配させる動きのあることも気になった。

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