「子どもが嫌がる勉強」を続けさせる親の大問題 それは「子どものためじゃなく、親のため」

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これまで親がやってきたこと(過去)は、いったんリセットしてしまいましょう。そうしないと、親の罪悪感が出てきます。「私がもっとしっかりしていたら、娘はこんな状態にならなくて済んだのに」という罪悪感が出てくる可能性があるのです。

これまでやってきたこともそれなりにプロセスとして必要であり、それなりに意味のあることでした。考えなければならないことは「今後どうするか」だけなのです。そこで、最後に1つだけ、人が伸びていく原則をお話ししておきます。

勉強量は増やさず、好きな科目に時間を使う

「人財」育成の原則と呼んでいますが、それは「いい部分をさらに伸ばしていく」というものです。

進藤さんは次のようなことをしてみてください。

国語、算数、英語の3つを均等にやるのではなく、いちばん好きな科目である国語に多くの時間を使い、算数は量を減らして、できる問題中心型にします。英語は書く量を減らして音読型にしましょう。これらは通常されるアドバイスとはまったく違うと思われることでしょう。

通常は、苦手科目に時間を使いなさいと言います。今の状態でそれをやると、娘さんの勉強に対するイメージがさらに悪化する可能性があるのです。ですから、好きな科目に時間を使うという方法を取ることで、いったん、娘さんの勉強に対する心の状態を安定させるようにします。

それを続けていれば、算数、英語で自信を取り戻して、徐々にできない領域を自己修正させていくようになります。間違っても「苦手な部分をたくさんやらせる」ことから入らないようにしてください。

まだ小1ですから、勉強量を増やすのではなく、「やっていて楽しい」「面白い」と思える心を作っていくことのほうがはるかに大切です。その点を念頭において進めてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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