「子どもが嫌がる勉強」を続けさせる親の大問題 それは「子どものためじゃなく、親のため」

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「子どもが嫌がっているのに、親が継続させようとするのはなぜでしょうか?」と聞くとおそらく次のような回答が返ってくることでしょう。

「根気強い子にならないのではないか心配だから」
「勉強ができなくなるのが心配だから」
「子どもの将来が不安だから」

しかし、これらは本当の理由ではなく、次のことが本音の理由だったりします。

「子どもがやるべきことをやらない人間になっていくと、親である自分が困るから」

実は子どものためではなく、親が自分の心を安定させたいからということが背景にある可能性があるのです。このように言われて、かなり心にグサリとくるかもしれませんが、残念ながらそれが実像、ということが少なくありません。

空回りしている自分に気づくのが大切

ですから、自分がこのパラドックスに早く気づかないといけないのです。それは、自分の心の安定は、子どもを使うのではなく、自分で自分を安定させていくほうがよいということを。

しかしながら親の毎日の忙しさは想像を絶します。毎日、ご飯作り、掃除洗濯に加え、子育てという自分の思うようにならない人育てを365日24時間体制で20年近く行います。

さらに仕事も持っていたら、まさに超人です。このような状態で、ストレスフリーとか、心を満たすなんて通常ではありえないのです。子どもが思いどおりに動いてくれないことに、イライラするのも当たり前です。

そこで、ちょっと考えてみるのです。一生懸命になればなるほど、空回りしている自分がいることを。すると、正しい判断ができるようになります。

つまり、今回のケースでいえば、塾の先生に相談して、子どもに合ったプリントの量に変更してもらうとか、塾をやめて、別の手段で学んでみるという方法が考えられるはずです。間違っても、今の状態で子どものやる気を出させようとは思わないことです。

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