東京海上HD、米保険に「3255億円」投じる狙い

過去12年間で2兆円投資、目立つ米市場偏重

収益の中心はこうした手数料収入で、安定的な利益が見込める。また契約者からの保険料・拠出金の多くを再保険市場でリスクヘッジしているため、リスクを小さく抑えるビジネスモデルになっている。保険金支払いのリスクが集積しないように、1つの州で全体の契約の2割以上を引き受けないことや、沿岸部や山林に近い物件などの引き受けも慎重に行っている。

その結果、2017年に北米を3つの巨大ハリケーンが襲った中でも「競合他社と比べて、(損害額などが小さく)いい成績を収めた」(小宮グループCEO)という。

海外保険事業で「5割超」も

ピュアグループの買収完了は2020年1〜3月ごろを予定している。

ピュアグループの税引後利益は、2020年12月期で9500万ドル(約100億円)程度、2023年12月期で2億ドル(約210億円)程度と予想されており、東京海上HDの利益に同程度の数字が上乗せされることになる。

東京海上HDの事業別利益の2019年度の予想では、「海外保険」が約47%と過半を占める計画だ。2002年度はわずか3%程度しかなかったが、海外M&Aを次々と成功させることで利益構造を変化させてきた。ピュアグループの買収効果によって、海外保険事業で「5割超え」も現実味を帯びている。

自然災害などで大きく利益がぶれる国内損保事業と異なり、東京海上HDの海外保険事業は、買収した欧米の保険会社の利益貢献などによって、2013年度以降、毎年1000億円以上の事業別利益を上げている。2019年度は過去最高の1770億円の利益を見込む。M&Aの目的である事業リスクの分散と安定的な経営基盤の確保は着実に前に進んでいる。

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