「グッとラック!」「とくダネ!」が抱える課題 TBSとフジの平日朝番組は競合とどう戦うか

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朝8時からの情報番組(ワイドショー)は、どの局も冒頭は海外やネット上のトピックスをまず紹介して、8時13~14分からその日の「いちばん強いネタ」を放送する。

これは20%前後の視聴率を稼ぐNHKの「朝ドラ」が終わる8時15分に、朝ドラから流れてくる視聴者を獲得するための“勝負どころ”だからである。

9月30日、この勝負時間に各局は「ラグビー日本代表vsスコットランド」「道志村の行方不明少女捜索」といった「注目のニュース」を取り上げていた。

そんな中で「グッとラック!」が栄えある第1回放送に、スタッフが選んだニュースは「愛知トリエンナーレに文化庁が補助金給付せず」であった。

翌10月1日の第2回放送は「トロッコ問題で学校謝罪」である。

ほかの局が「消費税10%に」「台風18号石垣島に接近」を伝える中で「トロッコ問題」を8時13分から45分頃までやっていた。

結果としての視聴率は前述のとおりだ。

「トリエンナーレ」や「トロッコ問題」を取り上げるのは番組の“独自性”を出そうとしたからだろう。しかし「志らくの新番組」「両脇を固めるのは若さがウリのアナウンサー」という“座組み”で初っ端に取り上げるテーマとして、はたして妥当だったろうか。

志らく氏も緊張からかコメントの歯切れは微妙で、国山アナのボードを使った説明も細かい部分の知識まで準備しきれていない印象だった。

ウェブ系の若手が目立つコメンテーター陣

そしてコメンテーター陣にはウェブ系の若手が多めである(西村博之氏は異彩を放っているが)。ジャーナリスト系は見当たらない。

つまり、

・中高年に毒舌が支持されている立川志らく
・フレッシュさがウリの「若手アナウンサー」
・コメンテーターは30代が中心の「ウェブ系実務家(東大卒多め)」
・他局とは差別化のために“違った角度のネタ”を取り上げる

このような構造の番組になっている。

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