織田裕二が「世界陸上」に欠かせなくなった理由 12大会連続、紆余曲折と変化の22年間

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また、複数のメディアが「織田裕二のハイテンションな『世界陸上』進行に日本陸連がクレーム」と報じたこともあり、中には「降板か」というショッキングな記事もありました。その後、織田さんは以前ほど感情むき出しではなくなりましたが、「楽しさや感動をはっきり伝える」というスタンスを変えずに出演し続け、長年のファンを安心させています。

現在、織田さんが「世界陸上」のメインキャスターを務めることについて、大多数は好意的な見方をするようになりました。一部のアンチこそいますが、その人々ですら「認めはしないけど、本当に好きなら続ければいい」というスタンスにすぎず、かつてのように批判にさらされることはなさそうなのです。

では、「やめろ」とまで言われた織田さんがなぜ支持を得ることができたのか? その理由は、織田さんの継続性と修正力によるものでしょう。

22年間も出続けていれば、スタッフの入れ替わりもあるようですし、番組に関与する上層部の顔ぶれも変わっているはずです。それでも織田さんが選ばれ続けているのは、もはやほかの人では代替が利かないほど、「世界陸上」=織田裕二という印象が浸透したから。

アスリート、元アスリートとの信頼関係

現在のトップアスリートには、「織田さんがメインキャスターを務める『世界陸上』を見て育った」という人たちが多く、中には男子100mの日本記録を持つサニブラウン・アブデル・ハキームさん(20歳)のように、織田さんのメインキャスター就任後に生まれた選手も登場するようになりました。

一方で、スペシャルキャスターを務める高橋尚子さんや、アスリートゲストの末續慎吾さんなど、織田さんが「世界陸上」の出場選手として接してきた元アスリートが、現在では解説者の立場になったことも、22年間続けてきた強みの1つ。だからこそ織田さんと元アスリートたちの信頼関係は厚く、一体感のある中継が可能なのです。

さらに、自分のスタンスを貫きつつ、前述したような危機や批判を受けて、自ら修正したこともポイントの1つ。織田さんは20代の頃から、作品や役と真正面から向き合い、若いながらもスタッフと脚本・演出に踏み込んで話す姿を何度となく報じられてきました。

そんな姿を「熱心でストイック」とたたえるか、「わがままで気難しい」とおとしめるか。どちらの声も長年飛び交っていましたが、近年では明らかに変化が見られるのです。

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