レッドブル「空のF1」エアレース突如終了の背景

日本人の室屋義秀選手は有終の美を飾るも…

9月上旬に開催されたレッドブル・エアレース千葉大会での室屋義秀選手の飛行風景(東洋経済オンライン編集部撮影)

「空のF1」とも呼ばれる世界最速の3次元モータースポーツ「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ(以下、エアレース)」が、9月7日と8日の千葉大会を最後に終了した。

2019年シーズンは全8戦の開催予定であったが、5月29日にレッドブルが突如エアレースの終了を発表、年間4戦に変更となったのだ。最終戦となった千葉では数々のドラマがあり、大波乱の展開に。アジア唯一のマスタークラスのパイロットで、エアレース元世界王者・室屋義秀選手(46歳)が、千葉で今シーズン3勝目を挙げて有終の美を飾った。

エアレースとはFAI(国際航空連盟)公認の飛行機レース世界選手権で、最高時速370km、最大重力加速度12Gに達する中で、レース機が全長約6kmのコースに設置されたパイロンを旋回して技術とタイムを競い合う競技だ。

エアレース開催は日本での航空産業にプラス効果

2003年にオーストリアで飛行機ショーとして誕生したエアレースは、2005年からワールドシリーズとなり、これまで世界各地で94戦も開催されてきた。安全面の見直しなどの理由で2011年から3シーズン中断していたが、2014年から再開されると、2017年に室屋が初のワールドチャンピオンに輝いた。日本で2015年から千葉・幕張の地で5年連続開催されたこともあり、知名度は大きく向上した。日本の航空産業やスカイスポーツへの関心が高まるきっかけとなったのは間違いない。

だが、今シーズン2戦目のロシア・カザンを前にエアレース打ち切りの発表がなされた。エアレースはスポーツ・エンターテインメントとして定着してきたが、「世界中で行われている他のレッドブルのイベントと比べ、世間の関心を引きつけることができなかった」ことが理由という。これは「レッドブル本社組織のトップレベルで決められたことだった」とゼネラルマネジャーのエリック・ウルフ氏は千葉大会で話した。

終了の理由を改めて説明したレッドブル・エアレースのゼネラルマネジャーのエリック・ウルフ氏(右)。千葉市長の熊谷俊人氏や小川智之千葉市議会議員ら千葉市の関係者は5年間の成果を語った(編集部撮影)

エアレース終了を「非常に残念」という熱烈な日本のファンは多い。

地元のヒーローである室屋選手への応援だけでなく、千葉戦は世界一の盛り上がりを見せ、今年は2日間で10万人以上(5大会で計47万人)も動員したものの、他国の大会では千葉ほどの集客は実現できなかった。

レッドブルが行うイベントには、ハンググライダー、マウンテンバイク、スケートボードなどがある。これらのエクストリームスポーツ(過激な要素をもったアクションスポーツ)目当てに多くの若者が会場に足を運び、SNSでも賑わいを見せている。だが、エアレースに関しては同様の結果にならなかった。そこには他のエクストリームスポーツと比べても巨額な費用がかかるモータースポーツという側面がある。

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