「怖いもの知らずの起業」が全然ダメな根本理由

「サードドア」著者、未来の起業家に語る

そこで私は考えました。誰も書いていないなら、自分で書いてみようかと。始める前は、ビル・ゲイツに電話をしてインタビューをすれば、3カ月ほどで本が書けるだろうと思っていました。ところがやってみると困難の連続で、書き上げるのに7年もかかりました。

最初に直面した困難は、インタビューに行くにも飛行機代などお金がないことでした。大学の期末試験の2日前、私は勉強もせずに図書館でネット検索をしていました。そのときフェイスブックで、テレビの有名なクイズ番組が出演者を募集しているという投稿を見つけたんです。番組の収録会場も近かったので、よし、この番組に出て優勝して賞金を得よう、と思いつきました。

その晩私は、試験勉強をするのではなく、「どうやって番組をハックするか」を勉強しました。詳しくは『サードドア』に書いていますが、出演するにもまずはオーディションに合格しなければならない。ではどうやってオーディションをうまくパスするか。そのための作戦を考え、作戦どおりに出演して、優勝しました。そのときに獲得した商品を売ったお金が、本の出版につながったんです。

成功者の人生とビジネスの考え方

私はたくさんの成功者から話を聞きましたが、この7年間の取材の旅でわかったのは、成功者はみな人生とビジネスをまったく同じように扱っていたということです。

アレックス・バナヤン:作家、スピーカー。1992年8月10日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。大学1年生の期末試験の前日、アメリカの有名なテレビ番組『プライス・イズ・ライト』に出場し、世界で屈指の成功者たちから「自分らしい人生の始め方」を学ぼうと旅に出る。19歳のとき、シリコンバレー史上最年少のベンチャーキャピタルとなる。また、アメリカの大手出版社クラウン・ブリッシャーズ史上、同社と契約した最年少の作家となる。『フォーブス』誌「30歳未満の30人」、『ビジネス・インサイダー』誌「30歳未満の最高にパワフルな人物」に選出(撮影:尾形文繁)

彼らから得た気づきは、人生もビジネスも成功も、ナイトクラブに入るようなものだということです。

そこには3つのドアがあります。最初にファーストドア。正面入り口です。その前には長い行列ができ、99%の人が、入れるかどうか気をもみながらそこに並びます。次にセカンドドア。VIP専用で、億万長者やセレブだけが入れるドアです。

学校や社会は、世の中にはこの2つのドアしかないと私たちに思わせるような教育をしてきました。正面ドアに並ぶか、特権を得るか、どちらかしかないということです。

でも私は、人生にはいつも必ず、もう1つのドア、サードドアがあるということに気づきました。そのドアは、行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に必ずあります。

ビル・ゲイツがソフトウェアを初めて販売したとき、またレディー・ガガが初めて契約を交わしたとき、彼らはサードドアをこじ開けたのです。

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