下落説が噂される家の「売り・買い時」はいつか

価格下落が取り沙汰される「20XX問題」の真相

住宅市場において噂される「住宅の20××問題」は、現状どうなっているのだろうか?(写真:しげぱぱ/PIXTA)

最近、住宅セミナーの講演会場で、参加された方に、「住宅や土地の価格が急落すると聞いたが、本当か」と問われることがある。おそらく、値下がりするから早く売ったほうがよいなどと、言われているのだろう。

その根拠が、いわゆる「住宅の20××問題」だ。どういった問題が噂され、現状はどうなっているのかについて説明したいと思う。

「住宅2020年問題」とは

住宅市場において、2019年の消費税増税による冷え込み懸念はすでに薄れているが、ちまたには「2020年問題」の噂もある。東京オリンピックが終了すると景気が悪化し、外国人も日本から離れ、住宅が売れなくなるというものだ。こちらもかなり下火になっているが、オリンピック後もまだ多くの再開発がらみの大規模マンションの計画があり、外国人投資家の熱も冷めているわけではない。

これとは別に法制度を根拠とした「2020年問題」もある。省エネ基準の住宅への義務化によって、義務化前後の住宅で省エネ性能が明らかに異なるため、性能の低い住宅の価格が大幅に下がるというものだ。

この省エネ基準について少し説明しよう。オイルショックを契機に施行された「省エネ法」(正式には「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」)の対象は、運輸や産業部門だけでなく、住宅などの家庭部門にも及ぶ。達成すべき基準となる「省エネ基準」はたびたび改正され、そのレベルを引き上げている。

最新のものは「平成25年(2013年)基準」といわれるものだ[省エネ法に代わって「建築物省エネ法」(正式には「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」)が施行され、新法の基準である「平成28年(2016年)基準」と呼ぶ場合もある]。

最新の省エネ基準は、大型の建築物から順次適合義務化が進められていて、2020年には一般の住宅を新築する場合も義務化されるスケジュールが組まれていた。しかし、戸建ての建築については、大手ゼネコンではなく地元の工務店が主流なので、複雑化した省エネ基準に対応した技術の習熟などの課題もあり、2019年になって適合義務化は見送られることになった。

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