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役所の無責任・非効率に憤る30歳公務員の嘆き 「安月給」「長時間労働」「クレーム」の三重苦

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ときに、「藤田さん個人」に向けた攻撃を受けることもある。感情を殺して笑顔で対応するようにしているが、藤田さんの左手の結婚指輪を見た市民から「お前みたいなやつが結婚しているのか」と罵声を浴びせられたことは、今でも傷になって心の中に残っているという。

また、外回りをしている際は作業着に市役所の紋章が入ったバッジを身に着けているので、職員たちはつねに市民の目を気にしなくてはならない。移動中、自動販売機で飲み物を買っただけで、市役所にクレームの電話が入る。昼休憩中に飲食店に入るなんて、もってのほかだ。

どうしても外で昼食をとらなければならないときは、コンビニで人目を気にしながら、急いで買い物を済ませる。それ以外は、コンビニにもほとんど立ち寄ることはできない。上司からは「市民の目に付くような行動は慎んでほしい」と言われるだけだったという。

「おそらく、そういう人たちの中では『公務員像』が歪んでいるんだと思います。僕たちにも国民の義務があるので、みなさんと同じように働いて、税金を納めています。僕たちだって生きている人間なのに、この仕事に就いてから、そう思わない人たちもたくさんいるんだと知りました」

終始、穏やかでやわらかかった藤田さんの口調が、このとき一瞬だけ、少しだけ強くなったように思った。

公務員の働き方は「ぬるま湯」

一方で、藤田さんは公務員の働き方については「ぬるま湯にどっぷり浸かっているようなもので、生産的でない人が多いと感じる。効率化を促すために制度を変えていくべきだ」と厳しく指摘する。

公務員が「安定している職業」だと言われるのは、平たく言えば、リストラされる心配がないためだ。死に物狂いで働いても、何もしなかったとしても給料は変わらず、よほどの問題を起こさないかぎり懲戒処分になることはない。組織が潰れる心配もなく、目標も設定されないため、職員のモチベーションにはばらつきがあるという。

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【なぜ役所は変われないのか?】

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