パナソニックとシャープを分析する

「経営の危機」は乗り越えたのか?

2社とも「消費税増税後の反動」に注意

では、シャープの業績を見てみましょう。損益計算書(8ページ参照)を見ますと「売上高」は1兆7824億円から2兆1572円まで、21%も伸びています。「売上原価」は前年同期より7.4%しか増えていませんから、「売上総利益」は1361億円から3869億円まで3倍近く伸びています。

コスト削減を行っていますから、「販売費及び一般管理費」は売上高が21%も伸びたにもかかわらず微減しています。そのため「営業利益」は1662億円の赤字から814億円の黒字まで回復しました。営業利益率(営業利益÷売上高)は3.8%です。

以上のことから、V字回復とまでは言えませんが、改善していることは間違いないのです。シャープの戦略によると、2015年度までに売上高営業利益率5%を目指すということですが、今の状況が続けば、実現も不可能とはいえないと思われます。しかし、先ほど述べた多額の有利子負債や戦略の優位性をどこで出していくのかという点では、まだはっきりとしない点もあります。

次に「四半期純損失(△)」に注目してください。前年同期は4243億円という巨額損失を計上していましたが、そのかなりの部分は「特別損失」のうち「事業構造改革費用」1260億円で占められています。つまり、リストラ関連の費用です。

それが今期はゼロになっていますから、四半期純利益が177億円の黒字まで回復しているのです。「法人税、住民税及び事業税」が180億円計上されていますが、最終的な純利益での黒字を確保しています。

先行きに関して注意しなければならないのは、消費税増税を見越した駆け込み需要です。消費税率が8%に引き上げられる4月にかけて、家電製品の一部には駆け込み需要が発生すると考えられます。

そのため、3月末までは好業績が続くかもしれませんが、4月以降に反動が起こるおそれがあります。これはシャープに限らずパナソニックにも共通することです。今のところ、2社ともに回復しているのは間違いありませんが、4月以降の業績と今後の戦略には、注意が必要です。

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