その4 「外国人だから」という偏見
筆者の同僚たちは日本に住んで生活しているということもあるため、次のような意見も出てきました。旅行者には当てはまらないかもしれません。
簡単な日本語のフレーズ、例えばあいさつだったり、「ありがとう」とか「すみません」というような日常的に使用する一言を言っただけで「日本語ができるんだね!」と褒められると、逆にバカにされているような気がするそうです。同じように、箸が使えることや正座ができることも、いつまでたっても褒められ続けるのがつらいようです。
食べ物に関しても「納豆は食べられる?」とか「刺身は大丈夫?」とかいうのも聞かれ飽きたそう。思いこみで「ハンバーガーは好きだよね」とか「ステーキが好きでしょう」とか言われるのも、ちょっと抵抗があるようです。質問している背景に「外国人だから~だよね」という決めつけがあるのが見えてしまうのが嫌なようです。
もちろんこういった質問も、思いこみや興味本位で尋ねるのではなく、確認する必要があるときには聞いても問題ありませんが、「~できますか」というのをそのまま訳してCan you ~? と尋ねるのは控えましょう。
例えば、Can you speak Japanese?(日本語が話せますか)とかCan you eat raw fish?(生魚は食べられますか)というような質問は避けて、Do you speak Japanese?(日本語は話しますか)とか、Do you eat raw fish?(生魚は食べますか)とDo you ~?で聞くのをお勧めします。canで能力を尋ねているニュアンスよりも、doで習慣を尋ねているニュアンスのほうが、ネーティブにとっては抵抗感が少ないようですよ。
その5 スモールトークのトピック
たわいもない会話のことをスモールトークと言いますが、このときにする話題にも文化の差があるようです。英語ではHow was your weekend?(どんな週末でしたか)だったり、What do you do?(お仕事は何をされていますか)のような質問はよくあるトピックです。
こういった質問に対して、Nothing.(何もしなかった)とか、I work near here.(この辺りで働いてます)のような返答が来ると、「コミュニケーションを取りたくない」というメッセージと感じられて不快に思うようです。
もちろん、毎週末そんなにすごいイベントがあることをネーティブも期待して聞いているわけではありませんので、たわいもない日常の行動で構わないので「家でギョウザを作った」とか、「友だちと横浜で買い物をした」とか答えればいいでしょう。あまり詮索されたくないという方もいると思いますが、言いたくない情報は言う必要はありませんので、コミュニケーション自体が破綻しないような回答にするよう、気をつけましょう。
本当に何もしなかったという人は「疲れていたので、一日中家で寝ていた」というのでもいいでしょう。そして、どうしてそんなに疲れていたのか話しても構いません。
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