千葉の停電、「県の初動」はなぜ遅れたのか 停電が長期化し、病院や酪農に深刻な影響

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同区にある千葉南病院(病床数137床)では、2日間にわたって自家発電機で電力不足に対処した。しかし、5台の人工呼吸器など病棟への電気の供給を優先する中で、エアコンは一切動かせず、エレベータも1台しか稼働できなかった。救急車の受け入れやCTスキャンなどの検査もできず、電子カルテも止まった。

その後、9月11日の深夜に四国電力から電源車が到着したことで、病院の機能が回復し、事なきを得た。

ナースコールが鳴らず、対応に苦慮

山武市の介護老人保健施設ハートビレッジ(定員90人)では、9月12日の午後1時頃に関西電力から電源車が到着したことで電力が復旧した。それまでは電気と水道が通じておらず、エレベータも停止。2~4階にいる高齢者のために、職員が階段を登って食事や水を運び続けた。

「困ったのは、ナースコールが鳴らなかったこと」(増田靖・業務科長)。トイレ介助のタイミングがつかめず、夜勤の職員が神経をすり減らしたという。

「懐中電灯も不足した。予備はあったが、できれば各部屋に1つあればよかった」と増田科長は振り返る。

トイレは水があれば流すことはできたが、「電源車の到着が遅れたら、(機能停止が長引いて)浄化槽がだめになったかもしれない」(増田科長)。

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