何より、同じ年収であっても未婚と既婚とで自己肯定感に5~10%も差があるということからも、自己肯定感の未既婚格差というのは単に年収だけの問題ではないということがわかります。
男性は恋愛が充実しているほど自己肯定感が高い
拙著『ソロエコノミーの襲来』の中でも、未婚男性の自己肯定感を高めている要因とは何かについてのデータを掲載しています。結果だけ簡単にお伝えすると、未既婚関係なく男性の場合は、恋愛が充実していればいるほど自己肯定感が高くなるという結果でした。意外なのは、そうした恋愛因子は女性の自己肯定感にはあまり関係なく、男性だけが影響を受けるという点です。
この連載でも何度もご紹介している「恋愛強者3割の法則」のとおり、実際に恋人がいるソロ男女は3割程度であり、7割は恋愛をしていません。そうすると、とくに未婚男性の場合、7割は、恋愛による自己肯定感を感じられない欠落感を抱えてしまうことになります。
なぜ恋愛相手の有無が男性の自己肯定感に影響を与えるのでしょうか。これには、いわゆる「男らしさ規範」というものが関係しています。「男は男らしく、女は女らしくすべきである」という設問に対して、「そう思う」と「そう思わない」の差分は、男性は未既婚ともに「そう思う」の方が上回るのに対して、女性は未既婚ともに「そう思わない」方が上回ります。「男は男らしくあれ」という規範に縛られているのは男性の方です。
「男らしさ規範」の強さと自己肯定感の高低をクロス集計して、年代別に見てみると一目瞭然です。自己肯定感が高い男性ほど「男らしさ規範」意識も強いのです。この傾向は、未既婚ともに同じですが、既婚男性の30代以上の年代に特に顕著です。
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