斎藤工が「芸人・永野」に尊敬の念を抱く理由 他の人ができないことをやるのが永野の魅力

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永野:僕が原作・脚本、工くんがプロデュースと主演をやっている『MANRIKI』もそうですからね。反射して絵柄が変わる下敷きみたいに、斎藤工と永野が交互に見えたりする瞬間があって面白かったです。

――お二人は内面的なところが似ているんですかね。見た目ほどは違わない、というか。

お笑い芸人。1974年9月2日生まれ、宮崎県出身。A型。1995年、ピン芸人としてデビュー。「ゴッホとピカソに捧げる歌」などのシュールなネタで注目を集める(撮影:大澤誠)

永野:そうですね。ただ、僕も考えたんですけど、誰にでもあると言っても、俳優とかモデルをやられていた方がそこに共感するというのは不思議な感じはしますね。

『MANRIKI』って「人間は見た目じゃないよ」みたいなことがテーマなんですけど、でもぶっちゃけ、見た目ってやっぱり大事だと思うんです。それなのに「カッコいい」といわれている斎藤工に、永野の部分が見えちゃう面白さはありますよね。

「いや、僕だって闇の部分ありますよ」っていうのは誰でも言うじゃないですか。そう言ったほうがカッコいいから。でも、工くんは本当にそこを把握していて。「把握」って言うと偉そうですけど、わかってるな、というか。そういう意味では希有な人です。

自分のいる業界になじめない2人

――なるほど。お二人を見ていて似ていると思うのは、それぞれの業界のノリみたいなものになじめていないというところがあるのかな、と。永野さんはお笑い界になじめていないじゃないですか。

永野:そう、なじめないんですよ。

斎藤:それはそうかも。

――例えば、永野さんは自分がボケて後輩芸人がそれにツッコんだりすると「ツッコむな」と怒るらしいですね。

永野:そうそう。なんか怖くなるんですよ。ボケて、ツッコんで、っていうのがマシーンみたいに見える。もっと人間としてしゃべってくれよ、って思うんです。だから、なんか合わないな、というのはやっぱり感じていますね。僕はもともとお笑いって現実からの「逃避」みたいな感じでやっていたんです。でも、最近は芸人が妙に立派になっているじゃないですか。お笑いをやっている人は頭がいい、ってみんな思ってるし。

――確かにそうですね。

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