成田空港「足止め」なぜ回復に時間を要したか 鉄道・道路不通でも滑走路を開けた理由は?
第2ターミナルに戻ると、先ほどより多くの人が到着ロビーに滞留し、通り抜けることすら困難な状態になっていた。次第に人々も落ち着きを失い、警備員に「どうしてここはこんなにも混雑しているのか」と質問している人もいた。
到着ロビーの混雑は、京成のスカイアクセス線が運行再開したことも要因だった。第2ターミナルに直結する空港第2ビル駅に人が殺到しそうになり、警備員がエスカレーターを塞いだのだ。このため、駅に入れない人が到着ロビーにあふれた。さらに「到着ロビーで待っていれば電車に乗れる」という雰囲気が広がったことで、ほかの場所にいた人々も流れ込み、滞留することになったのだ。
筆者はこの後、車での迎えを依頼した友人が常磐道・圏央道経由で第2ターミナルの駐車場に着いたという連絡が入り、空港を出られることになった。
しかし、車もなかなか先へは進めない。まず駐車場から出るのに30分以上を要した。駐車場には高速道路(新空港道)につながる出口があったものの、通行止めの東関東自動車道(東関道)へ向かう車が進入しないよう塞がれており、大渋滞している一般道を経由することになったためだ。
駐車場を出てから20分程度で新空港道の入り口に到着すると、その先はスムーズに進み、圏央道が12kmの渋滞だったほかは都内まで順調な流れだった。
交通機関復旧の状況は
さて、なぜ多くの人が成田に足止めされることになったのだろうか。その理由は大きく分けて3つある。
1つは鉄道の復旧に時間を要したこと、2つ目は高速道路の復旧に時間を要し、空港連絡バスが運行できなかったこと、3つ目は公共交通機関が寸断されていたにもかかわらず、午前9時の滑走路閉鎖解除以降、着陸便が続々と到着したことだ。それぞれの理由について関係各社に理由を聞いた。
まず鉄道復旧に関しては、JR・京成電鉄双方ともに倒木、倒竹、線路内への飛来物が相当数あったそうだ。その除去や設備点検に相当の時間を要し、JRは成田線を9日終日運休とした。
京成電鉄は9日の17時45分にスカイアクセス線が復旧。23時までアクセス特急10本、スカイライナー4本を運行した。「車両や乗務員の手配がある関係で大幅な増便は難しかった」(京成電鉄)という中、アクセス特急は23時前に1本臨時を走らせて対応した。
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