成田空港「足止め」なぜ回復に時間を要したか 鉄道・道路不通でも滑走路を開けた理由は?
この時点で、同行の友人たちとの間で「今日のうちに公共交通で空港を出るのは厳しいのではないか」という会話が交わされるようになった。そこで、SNSを通じて届いていた車で迎えに行くとの申し出に対してお願いをすることに決めた。おおむね16時過ぎであった。
この段階で、第3ターミナルは9月5日から拡張された到着ロビーに多くの人が足止めされていた。東京都内をはじめ各地へ向かうバス乗車券販売カウンター前では50人ほどが販売再開を待っており、座り込んでいる人も見られた。東京駅方面へ向かう格安バスの乗り場にも外国人を中心に約50人、タクシー乗り場には70人ほどが並んでいた。
あわせて、ほかのターミナルの状況も確認してみた。
第2ターミナルも到着ロビーがごった返していた。案内カウンターやバス乗車券販売カウンターには長蛇の列ができ、もはや長さや人数を数えられる状態ではなかった。ただ、殺伐とした雰囲気はなく「台風の後だから仕方ない」「最悪、明日にはなれば出られるから」といった会話が聞こえた。
タクシー待ちは長蛇の列
第1ターミナルで目立ったのはタクシー待ちの列だった。列は3回も折り返し、待機場からあふれて道路までつながるほどで、並んでいる人数をカウントすると約800人。その間にも、さらに列は伸びていった。
到着ロビーは第2ターミナルほどの混雑ではないものの、座れる場所はほとんどなく、出発ロビーもいすはすべて埋まり、コンセント近くに人々が座り込んで充電をしていた。また、一部飲食店には20人ほどの列ができていた。ただ、こちらも多くの人が「仕方ない」という感じで、動かず体力を温存して待つという雰囲気だった。
一方で、第2・第3ターミナルへ移動しようとする人も多く、ターミナル間の連絡バスは混雑していた。この要因は2つあった。
1つは休憩場所や滞留場所を求めての移動、もう1つは携帯電話がつながりにくくなっており、少しでも通信できる場所を探す人が多かったことだ。スマートフォンで周辺情報を確認しようにも、データがやりとりできなくなっていた。アクセスの集中なのか、基地局の問題かは不明だったが、画像が少ないサイトの閲覧もほぼできない状態になっていた。
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