成田空港「足止め」なぜ回復に時間を要したか 鉄道・道路不通でも滑走路を開けた理由は?
一方、京成本線の京成成田―成田空港間は倒木の復旧に時間がかかり、翌10日始発からの運行再開となった。
JR成田線の成田―成田空港間だけでも9日中に復旧していれば、空港から成田までJR、成田から京成本線に乗り継いで都内へ向かうことができたとの声もあるが、「佐倉―成田間の成田線と成田―成田空港間はシステム上一体となっており、成田―成田空港間だけを運行することはできなかった」(JR東日本千葉支社)とのことだ。
倒木が多数あった高速道路
道路の被害について、東関道・新空港道・圏央道を管理するNEXCO東日本関東支社は「倒木、草木散乱、横転事故、道路外から飛散物、標識などの道路内構造物損傷があった。とくに道路内への倒木が2ケタ箇所以上あり、また全線にわたる草木の除去が作業時間が増えた要因となった」という。
また、復旧については「東関東自動車道に限らず広い範囲で被害があったために作業に相当な時間を要した。そのため、比較的被害が軽度であった圏央道の復旧を急ぎ、成田空港のアクセス路確保に努めた」(NEXCO東日本関東支社)と話す。
今回は道路横の崖崩れといった大きな構造物の損傷はなかったものの、強風に起因する被害だけでも高速道路の復旧は相当な時間が必要なことがわかる。
高速道路復旧後、東京方面へのバス運行は東京空港交通(リムジンバス)と京成バスによって行われた。リムジンバスは「成田空港発17時15分から23時15分すぎまでT-CAT(東京シティエアターミナル)行きを29便運行した」(東京空港交通運行部)。京成バスは「東京駅と成田空港を結ぶ『東京シャトル』の両方向を17時30分以降、22時台まで運行した。しかし、通常より本数を減らしての運行だった」という。
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