停電で「電車内閉じ込め」、盲点だった猛暑対策

京成線ストップ、冷房切れ乗客が体調不良

停電で電車がストップし、体調不良の乗客が救急搬送された京成押上線の八広駅付近(写真は停電時とは無関係)(写真:pretty world/PIXTA)

猛暑の中、冷房の止まった列車内に缶詰になり、乗客が体調不良を起こす。これはたまたま乗り込んだ列車の巡り合わせが悪かった、ということでよいのだろうか。事態を重く見た国土交通省鉄道局は8月9日、首都圏13社の鉄道事業者の安全対策責任者を集めて「猛暑時の停電による駅間停車への対応に関する意見交換会」を開いた。

きっかけは、京成電鉄本線などで8本の列車が停電により駅間に停車、車内に閉じ込められた乗客が熱中症とみられる体調不良で救急搬送されたことだ。トラブルは6日朝8時30分ごろに発生。駅間停止した列車は停電により冷房が止まり、乗客15人が体調不良を訴え、うち9人が病院に搬送された。

過酷だった「猛暑の停電」

京成の発表によると、停車から30分後には避難誘導を開始し、約1時間で3500人の誘導を完了したという。同社は停電を引き起こした青砥変電所(東京都葛飾区)の設備故障の原因も含めて、誘導のあり方を調査中。国交省は停電の原因究明と再発防止策と共に、誘導の検証について報告を求めている。

同社鉄道本部長の室谷正裕常務は「われわれは一生懸命やりました。例えば今回、駅間停止を受けて駅務員が日暮里駅から出たのですが、現場までは900m離れていた。応援に駆け付けるまでの距離と、誘導の距離で2倍になる。時間的にも最短で終えることができたと思っているのですが、それをお客様にどう判断いただけるか」と訴えた。

従来、駅間停車で課題となっていたのは、迅速な運行再開だった。車内に閉じ込められた乗客の誘導が課題としてはっきり認識されたのは、国交省鉄道局安全監理官室によるとごく最近のことだ。それは2018年6月18日に発生した大阪北部地震がきっかけだった。発生は朝7時58分。今回の京成同様に通勤時間帯だった。

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