なぜ女児はホームドアの隙間に取り残されたか 海外では車両と密着、日本も見直すべき?
8月3日、名古屋市のリニモ(愛知高速交通東部丘陵線)藤が丘駅で、母親に続いて列車に乗ろうとした5歳の女児が、車両とホームドアの間に取り残され、列車が出発した後にホームから転落した。
駅員が転落に気づいて非常停止ボタンを押して救出し、幸い大きなケガはなかったようである。リニモは車両が磁力で浮き上がって走行する鉄道で、運転士が乗務しない無人自動運転(地下区間のみ異常時の避難誘導に備えて係員が添乗)、すべての駅にホームドアが設置されている。
隙間が広いと人が取り残される危険も
エレベータのように、動く側と地上側のドアの隙間がほぼゼロであれば、そこに人が取り残される可能性はない。
しかし、鉄道の場合は走行する車両が動揺するため、ある程度の隙間を確保して接触を回避する必要があり、その隙間が広いと人が取り残される可能性が出てくる。
そこでホームドアの戸先下部車両側に板を設け、人が挟まれた場合はドアが閉まらないようにしたり、センサーを設けて人が取り残されたことを検知したりするようにしている。
今回の事故は、戸先下部の板と車両の隙間がかなりあって、女児の脚がその隙間を通ってしまったものと思われる。なお、本文中で“メトロ”という言葉が何回も出てくるが、海外の鉄道の場合は必ずしも地下鉄という意味ではなく、都市鉄道を意味するものとご理解いただきたい。
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