8月下旬、第7回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜市で開催された。安倍晋三首相はアフリカを従来のように政府開発援助を通して資金提供するだけの地域ではなく、投資対象として扱うべきだと民間投資を促した。
投資を決定する場合は、どれだけの利益が見込めるかというリターンだけでなく損失がでるリスクも念頭に置くのが一般的だ。アフリカ諸国は人口増加率が高く、消費購買意欲のある若者が多いという人口ボーナスも効く。経済成長の余地があるため期待されるリターンは高い。
だが、不安定な経済状況や政局のため、リスクも非常に大きく民間投資は政府の思惑どおりに伸びてこなかった。そのリスクを減らす試みとして、政府系の日本貿易保険(NEXI)は、アフリカに進出する日本企業をインフラ輸出などの費用全額を保証することで支援することを示した。
ランキング1位はトヨタ自動車の販売を行う豊田通商
このように、アフリカビジネスを始める環境は整いつつあるが、現時点ではどの会社がアフリカのどこの国に進出しているのだろうか。東洋経済オンラインではアフリカへの日本企業の進出状況を「海外進出企業データ」を用いて調査した。
調査方法は日本企業ごとにアフリカ大陸の現地法人にいくつ出資しているかを数えた。出資企業として見なす範囲は出資比率が2番目以内に入っていることとしている。上場企業だけでなく、アフリカでビジネスを展開している有力な未上場企業も含まれている。
アフリカ大陸に最も多く進出している企業は、トヨタ自動車や同社部品を扱う豊田通商で、11社の現地法人に出資している。同社は長年にわたりアフリカに進出しているが、近年アフリカを中心にビジネス展開するフランス系大手商社CFAOを完全子会社化したことにより、アフリカ全域へのネットワークを得た。