デフォルトの常連、アルゼンチンがまたやらかした。アルゼンチンのマクリ政権は8月28日、IMF(国際通貨基金)や海外の国債保有者に返済の猶予を求めると発表した。
S&Pグローバルレーティング社は、アルゼンチンの短期国債を「D」(デフォルト)、長期国債を「SD」(選択的デフォルト)に格下げした。その後、8月30日に「デフォルト状態は解消された」と報じられている。
「見かけの利回りがいい国」の債券にだまされるな
個人の犯罪や各種の悪癖はしばしば繰り返されるが、デフォルト常連国であるアルゼンチンにも似た趣がある。「スミマセン。また、やってしまいました」。
10月に予定されている大統領選挙でポピュリスト的な左派候補者アルベルト・フェルナンデス氏の優勢が伝えられることなどから、資本の対外流出が活発化して、外貨準備が急減している。
2017年にアルゼンチンが発行した100年満期国債のアメリカドルベースの価格は、8月29日、30日の2日間で13%下落した。年初来からの下落率は5割に達する。
高金利通貨国の債券の場合、国債でも、その国の政情や経済状況が悪化した場合にはこのような事態がありうるということなので、投資家はよく覚えておこう。先進国の国債利回りがマイナス金利を含むゼロ近辺まで軒並み低下している状況なので、見かけの利回りがいい金融商品を作ろうとすると、高金利通貨の債券が使われる場合がしばしばある。
はっきり言っておくが、外貨建ての保険や投資信託などを売るセールスマンに外国通貨の先行きなどわかるはずもないし、そのセールスマンが属する会社の研究所やエコノミストにも先行きはわからない。ついでに言うと、運用のプロにもわからない。
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