店舗数を急激に増やす飲食店はだいたい危ない ゆで太郎・富士そば社長対談(下)
嵐のようなブームが訪れては、あっという間にブームが去っていく外食産業。その中にあって「日常食」である立ち食いそばは、江戸時代以降、日本人に親しまれ続けている。だがそうは言っても、消費者の嗜好や生活が大きく変わる中で、未来永劫安泰な業態などないだろう。そんな激動の時代の中、立ち食いそばはどうやって生き残りを図っていくのか。
立ち食いそばの2大チェーンである「江戸切りそば ゆで太郎」を運営するゆで太郎システムの池田智昭社長と、「名代富士そば」を運営するダイタンホールディングスの丹有樹社長が語り合った(前編はこちら)。
「立ち食い」ではなくなっている
丹氏が経営する「富士そば」は創立してから47年、池田氏が経営する「ゆで太郎システム」は15年になる。激しく変化する外食産業の中で、立ち食いそば業界にはどんな変化が起きているのだろうか。
丹有樹(以下、丹):接客のクオリティーはここ10年で変わったかもしれません。
池田智昭(以下、池田):安いから仕方なく食べるって人は減ったかもしれない。そうなるとこちらもホスピタリティーを上げる必要がある。富士そばさんも立ち食いを全部、いす席に変えましたからね。立ち食いそばって言っているけれど、今ではどこもいす席ですよ。いすを省いて安く売ろうというのでは、もう満足されないんですね。
あとはSNSで言いやすくなったからかもしれませんが、苦情を言う人は増えました。安いお店だから言いやすい部分はあるんだと思いますが。
丹:一部の方の声が大きくなったというのはありますね。
そばに関しても目につきにくい変化は結構あります。10年前と食べ比べてもらえば、味が全然、違うと思います。
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