店舗数を急激に増やす飲食店はだいたい危ない ゆで太郎・富士そば社長対談(下)

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
変化が激しい外食産業の中でも、立ち食いそば業界はどのような生き残りを図ろうとしているのだろうか(写真:まちゃー/PIXTA)

嵐のようなブームが訪れては、あっという間にブームが去っていく外食産業。その中にあって「日常食」である立ち食いそばは、江戸時代以降、日本人に親しまれ続けている。だがそうは言っても、消費者の嗜好や生活が大きく変わる中で、未来永劫安泰な業態などないだろう。そんな激動の時代の中、立ち食いそばはどうやって生き残りを図っていくのか。

立ち食いそばの2大チェーンである「江戸切りそば ゆで太郎」を運営するゆで太郎システムの池田智昭社長と、「名代富士そば」を運営するダイタンホールディングスの丹有樹社長が語り合った(前編はこちら)。

「立ち食い」ではなくなっている

丹氏が経営する「富士そば」は創立してから47年、池田氏が経営する「ゆで太郎システム」は15年になる。激しく変化する外食産業の中で、立ち食いそば業界にはどんな変化が起きているのだろうか。

丹有樹(以下、丹):接客のクオリティーはここ10年で変わったかもしれません。

池田智昭(以下、池田):安いから仕方なく食べるって人は減ったかもしれない。そうなるとこちらもホスピタリティーを上げる必要がある。富士そばさんも立ち食いを全部、いす席に変えましたからね。立ち食いそばって言っているけれど、今ではどこもいす席ですよ。いすを省いて安く売ろうというのでは、もう満足されないんですね。

あとはSNSで言いやすくなったからかもしれませんが、苦情を言う人は増えました。安いお店だから言いやすい部分はあるんだと思いますが。

:一部の方の声が大きくなったというのはありますね。

そばに関しても目につきにくい変化は結構あります。10年前と食べ比べてもらえば、味が全然、違うと思います。

次ページ海外で「日常食」を売るのは難しい
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事