インドが「電動車先進国」になりつつあるワケ 電動リキシャが町を席巻している

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電動リキシャはデリーの脇道や未舗装の道路をうなりを上げて走り、乗客はホコリを吸い、体が揺さぶられる。運転手はよく道路を逆走する。リキシャは側面がオープンになっているので、乗り降りはしやすいが、乗客はしっかりつかまっていなければ、車から落ちる危険にさらされる。蓄電池がオーバーヒートすることもある。それでも、多くのインド人乗客にとっては価値のある乗り物だ。

電動リキシャが集中しているインド北部の都市では、電動リキシャがオートリキシャの市場を乗っ取ろうとしている。オートリキシャはディーゼルガソリンか天然ガスで走り、地域のタクシーとしてよく知られており、3人まで乗車できる。

運賃はオートリキシャより安い

オートリキシャのほうが電動リキシャより安全で速いが、運賃は3倍から10倍になる。電動リキシャのほうが安いのは、エネルギーが安いのと、1台に4、5人を詰め込めるためだ。

自転車で引くリキシャもあるが、自転車から電動リキシャに乗り換えることが、多くの運転手にとってグレードアップを意味する。42歳のヴィノード・ジャーは2年前に電動リキシャに乗り換え、自転車の頃よりも乗客が増えたと話す。乗客は人力の車よりも、圧倒的に電動を好む。

サンジット・カマーは、アーユルヴェーダ薬の販売を行うかたわら、ラッシュ時だけ電動リキシャの運転手をしている。カマーは3人の子どもの父親で、妻の関節炎の治療のため、2つの収入源が必要だという。彼は長男とシェアしている1部屋のアパートでインタビューに答え、「とても苦労してきた」と語った。「だが、妻は手が使えるようになり、歩けるようにもなった」と話す。

インドの電動自動車の導入は、同国の他の多くのものと同様に、秩序だったものではなかった。最初の電動リキシャは10年ほど前に現れた。組み立ての前段階まで準備されたキットを、小規模なメーカーが中国から輸入したのだ。中国では、リキシャは主に荷物を運ぶために使われていた。

政府は電動リキシャの増加を2014年まで無視していた。しかし、リキシャの運転手がある母親をはね、その3歳の子どもが熱い油の入った鍋に落ちてしまった。そのため、デリーの高等裁判所は電動リキシャを違法とし、禁止した。

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