学校に行けなかった5人が今、伝えたいこと 「明日の学校はムリかも」と思う人たちへ

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あなた自身が幸せに【ねぎ・40代】

自分の不登校時代は1980年代後半でしたので、まだ登校拒否と呼ばれてました。

そのときの自分は「登校拒否」イコール「非行、不良」という偏見に反発して、書店で徹底的に人権関係の本を読みまくり論理武装を始めました。「日本という国は戦前とまったく変わらない。世直ししかない」とさまざまな左翼系の会合やデモに参加しました。

しかし、元来メンタルがとても弱いのであっという間にノイローゼになり、最終的には精神科へ行くことになりました。

そんな当時の自分に今の自分が言いたいことは「自暴自棄になると絶対に損をする。なぜなら人間社会は10年20年もたてば世間的な倫理観は変わるからだ。そのときまでなんとかいろんな手を使って生き延びろ!」です。

自分の幸せのために心の旅を

「自分探しの旅」を否定する意見もありますが、そんなのは無視すればいいんです。

『銀河鉄道999』の歌詞を借りるなら「人は誰でも幸せ探す旅人のようなもの 希望の星に巡り合うまで歩き続けるだろう」。

まわりの否定的な意見に従うより、本当の自分の幸せのために心の旅を続けてください。「世間や周囲ではなく、あなた自身が幸せになる」ようにならなければ意味はないのですから。

8月31日は最も悩んだ日【ひな・24歳】

中学1年生のとき、それまでの人生で1番、悩んだのが8月31日でした。明日からまた学校が始まってしまうと思ったら「あした、目が覚めずに急死してたらいいのに、そうすれば全部終わる」。

そんなことを思いながらすごしていたら、あっという間に夜になり、寝つけるわけもなく、9月1日に学校へ行きました。

その後、私は不登校になりました。不登校になってから最初の夏休みは中学2年生のとき。

夏休みに入った頃は「みんなも休んでいる」と思い、私も休んでてよいんだと気持ちは楽になりました。それでも8月31日には悩みました。

不登校の私にとっては夏休みに入ったばかりの日も、夏休みが終わる8月31日も変わらないはずです。

でも、明日から同級生たちはまた学校へ通い始め「私はどんどん同級生たちと差が出てしまう、できないことが増えていっちゃう」と思うと、やはり8月31日は悩む1日となりました。

今振り返って思うのは、不登校が終わった後も「あのとき、死んでおけば楽だったのかな」と思うくらいつらい試練はあります。

けれど、こんな自分のことを好きになって認めてくれる人も現れました。ときどき楽しいところへ行って、おいしいものを食べて、私はもう少し生きてみようと思えました。だからあなたにも、もう少しいてほしいと思っています。

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不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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