「値段が高い=いい物」と判断する人の大誤解 意外と身近にある「経済学」の超基本知識

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経済学というと難しい学問をイメージするかもしれませんが、実は身近な所で役立つ知識でもあるのです(写真:metamorworks/PIXTA)  
「経済学は多くの情報から汎用性のある要素を見つけ、自身の意見や仮説構築のツールになる」と語るのは、エコノミストの崔真淑氏です。「情報氾濫時代」の航海図として役立つといいます。「何を選んで何を捨てるか」という意思決定をするときの客観的なツールとして経済学を活用する方法について、崔氏の新刊『ど素人でもわかる経済学の本』を一部抜粋、再編集して紹介します。

経済学というと「お金のための」学問というイメージがあるかもしれません。実は経済学は、限りあるモノの、効率的な分配を考える学問で、その中の1つとしてお金も含まれるのです。経済学の考え方は、お金だけに限らず、ものごとに優先順位をつけたり、意思決定を行ったりするときに役に立ちます。

例えば、国や地方公共団体、企業がルールをつくるとき、「それによってどのような効果がもたらされるか」「それはよい結果なのか、そうではないのか」という判断が必要です。ここからはいくつかの経済用語を取り上げ、意外と身近にある経済学について解説していきます。

あちらを立てればこちらが立たず

進学先や就職先、恋人や結婚相手を選ぶとき、1つ(1人)を選択すると、ほかを選ぶことはできません。日常でも、外出する際に電車に乗るかバスに乗るか、どこでどんな食事をとるかというように、小さなことを含めて、人生は選ぶことの連続です。

何か1つを選ぶとき、必然的にほかの選択肢を捨てなければならないことを「トレードオフ」といい、経済学では重要な概念の1つです。個人はもちろんですが、国家や企業もたくさんの選択を行っており、そこにもトレードオフがついてまわります。ビジネスの現場でも、私たちはトレードオフにつねに直面しています。

例えば仕事の中で、コストをかければもっといいものになるとわかっていながら、価格設定などを考えたとき、予算の関係で質を下げざるをえない、ということもあるのではないでしょうか? クオリティーで妥協して予算内で納める、これもトレードオフの1つです。

トレードオフを自覚して取捨選択し、その中から合理的な選択をすることや、時には思い切って何かを捨てることも大切になってくるでしょう。

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