実は怖い初秋の「紫外線」が頭皮をダメにする 肌だけケアしていればセーフではない

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夏から秋に向かう今の時期は、夏休みに国内外への旅行やレジャー、ゴルフなどのスポーツを楽しまれた人が多く、より注意深く頭皮の状態を観察します。なぜなら、夏の強い日差しによるダメージを受けている場合が多いからです。

先日も、海外でゴルフを楽しまれた40代の女性のAさんが検診に訪れ、「紫外線対策はバッチリしていたので、ほとんど日焼けはしていないでしょ?」と、腕や首元の肌を見せてくれました。確かに、日焼けの跡は見られません。「本当ですね」と言うと、うれしそうにこんなことも伝えてくれました。「やっぱりシミが気になるから、顔はとくに日焼け止めをこまめに塗って、サンバイザーでしっかりガードしていたんです」。

炎症を起こすと頭皮が乾燥状態に

ところがサンバイザーのひさしの境目や頭頂部の分け目のあたりの頭皮が真っ赤に炎症を起こしていました。通常の頭皮は青白い色をしていますが、日焼けをすると炎症を起こして、ピンク色や赤茶色などの色味を帯びてきます。また、頭皮のバリア機能が乱れて、乾燥した状態にもなります。

マイクロスコープを使ってさらによく頭皮を観察してみると、頭皮の乾燥が進んで、皮膚が浮いて剥がれかけてきていました。その様子を画像で見せると、Aさんは「うそ!? 頭皮ってこんなに真っ赤になるんですか?」と驚かれていました。

Aさんが最初に女性頭髪専門外来を訪れたのは昨年末のこと。髪の分け目や額の生え際、うなじの薄毛や脱毛が気になるという相談でした。これは「牽引性脱毛症」と呼ばれる典型例です。

Aさんは大手企業で管理職を務めていて、仕事のときはいつも髪をシニヨンにまとめているといいます。若い女性のまとめ髪はふわっとルーズにされることが多いですが、彼女の場合、きちっと分け目をつけて、キュッとしっかり結ぶようなまとめ方をされていました。そうすると、頭皮が強く引っ張られるため、髪の生え際や分け目などの毛が薄くなったり、切れやすくなったりして、地肌が透けて見えるようになってしまうのです。

そこで、カウンセリングの後に育毛剤などによる治療を始め、毎月検診にも来ていました。発毛を促す治療は、毛髪の生え変わりのサイクルなどを考慮して、最低でも6カ月ほど続けていきます。その頃に、効果を感じ始める人も多いようです。

Aさんも治療開始から半年を過ぎて、だんだんと発毛の効果が表れていたときでしたが、その安心感と、治療を始めてから初めて夏を迎えたということもあり、少し油断してしまったのかもしれません。

近年は、紫外線による肌へのダメージが知られてきて、美白信仰が強まり、レジャーやスポーツ、外出時に、日焼け止めなどの紫外線対策をされる人が多くなりました。ただ、顔や腕など肌が露出している部分はしっかりUV対策をしていても、髪や頭皮まで意識されている人はごくわずかです。

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