1987年、ベンツに5日間徹底取材して学んだこと 最古の自動車メーカーの原点がそこにあった

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1987年にメルセデスベンツ本社を5日間訪れ、タイトでハードな取材から見えてきたものとは?(写真:LEON編集部)
1987年の西ドイツ、メルセデスベンツ本社を5日間徹底取材した著者。そこで知った、クルマ作りの神髄とは?

メルセデスから思いもよらないプレゼント

1987年のある日、メルセデス・ベンツ・ジャパンから電話が入った。「ご相談したいことがあるので、近々お時間を」との電話だった。

数日後、メルセデスに出向いたのだが、思いもよらないプレゼントが待っていた。

本記事はLEON.JPの提供記事です

プレゼントとは「メルセデス・ベンツを徹底的に取材して回る旅」だった。日程は、月曜日から金曜日までの5日間。内容をザックリ言えば、ドイツ国内(西ベルリンも含める)の全施設を見て回り、そのすべてに専門の担当者が同行。詳しく説明すると同時に、質問に答えるというものだった。

この内容だけでも驚いたが、さらに驚いたのは、対象が「僕1人」だったこと。つまり、僕1人のために、多くの部署が、その担当者が、貴重な時間を割くことになる。

本社の広報担当者と、ドイツ語の通訳も5日間、僕1人に付きっきりになる。

僕は恐縮してしまった。しかし、ジャパンの担当者から、「これはメルセデスのほうからお願いしていることですし、往復時間を含めてまるまる1週間の拘束になってしまいます。恐縮するのはこちらのほうです」との言葉をいただいて、少しホッとしたことを覚えている。

「岡崎さんには、可能な限りメルセデスを見ていただき、知っていただき、理解していただきたいのです。これは、日本とドイツ両方の考えです」とも言われた。胸が熱くなる言葉をいただいた。

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