「結婚相談所に入会したのは去年の6月です。僕は年下を好きではありませんが、恋愛対象になりそうな人は結果的に4、5歳年下の女性でした。なぜなら、僕と同じぐらいの年齢まで結婚していない人は、それまで誰からも選ばれなかった人か、機会はあったのに決断力不足で結婚に進めなかった人のどちらか、だからです。あと、できれば子どもが欲しいので同世代はどうかな、という気持ちもありました」
またしても同世代女性の逆鱗に触れそうな発言である。隆一さんは確かに1度「選ばれた」男性である。でも、その幸せを壊してしまったことも事実だ。周囲の人を悲しませたことだろう。そのことへの反省がなければ、また同じことを繰り返しかねない。
「いや、相手が若ければいいという意味じゃないんです。年齢差は近いほうが、それまでに見てきた世間が似ているので、わかり合えるとは思っています。10歳も年下の妻はどうなんだと思って、『もっと年をくっていたほうがよかったのに』と言ったことがあります。
若いから選んだわけじゃないんだよ、と妻に伝える意図でした。そしたら、『こっちだって、もっと若いほうがよかった!』とキレられてしまいました。お互い、妥協して選んだ相手だったんですね……」
なんだかユーモラスなやりとりである。スマートなビジネスマンに見える隆一さんは、実は思ったことをすべて言ってしまう真っ正直な人なのかもしれない。
「しっかり働いて稼いでいる人」に絞った理由
婚活を始めて半年後には結婚するまでの道のりは、隆一さんの客観性と行動力がいかんなく発揮された。結婚相談所の選定にもその一端が見られる。
「婚活市場において、自分のアピールポイントは何かをまず考えました。僕は平均以上の年収があり、ハゲてもいないし太ってもいません。だから、異性の写真や詳しいプロフィールを検索画面ですぐに見られないシステムの結婚相談所は避けました。年齢や結婚歴だけで検索されたら僕は選ばれにくいからです」
相手選びに関しては「しっかり働いて稼いでいる人」に絞ることにした。そういう女性が好みというわけではなく、自分にとっての「ボリュームゾーン」だと判断したからだ。
「家庭的でかわいい子は、もっと若いうちに結婚してしまうし、残っていたとしても44歳(当時)のバツイチ男は選ばないでしょう。僕が狙うべきはかわいいけれどバリバリ働いている子。実際、妻は僕好みの外見をしていますが、僕と同じぐらい稼いでいるのでモテづらかったようです。男性は自分よりちょっと下の女性が好きですからね」
業務のような分析思考で婚活を進めた隆一さん。入会した結婚相談所は、大きなデータベース(複数の結婚相談所が会員情報を共有するシステム)に加盟しており、異性会員の詳細なプロフィールを見ることができ、月100人までお見合いを申し込むことが可能だった。隆一さんは「30~42歳」でちゃんと稼いでいる女性に絞って、精力的に申し込んだ。
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