「死別」した独身者のみの交流会の実際
「天国組会」という不思議な名称の社会人サークルがある。離婚ではなく死別が理由で独身に戻った人だけが集まり交流をする場だ。
主催は各種の「バツイチ仲間の交流サークル」を企画運営しているパレット倶楽部の林文勇さん(64歳)。7月28日に東京・田町で開かれた通算95回目の天国組会を見学させてもらった。
会場は田町駅からすぐのところにある宴会場。太陽光がたくさん入り、明るい印象を受ける。会場には8人掛けのテーブルが5つ用意されていた。今日の参加予定者は、死別から3年以内の39人。婚活パーティーではないので男女比はそろえていないが、男性15人とこの種のサークルにしては男性の参加者も多い。
午後1時の開始前に参加者が全員集まり、受付時の抽選で席が決まっていく。参加者に渡す名簿には、苗字のみの名前、住んでいる都道府県、職業、趣味、経過期間のみが記載されている。
30代~60代の方で伴侶を亡くすという同じ経験をした人同士の交流が目的であるため、年齢や収入などは非掲載だ。死別からの「経過期間」というさりげない表現にも林さんのこまやかな配慮がうかがえる。
交流会の内容はシンプルで、前半はテーブルごとに自己紹介と歓談をする。席替えを4回して、できるだけ多くの人と交流をする仕組みになっているため、自己紹介だけで5回もすることになる。後述するが、自己紹介の繰り返しは天国組会においては重要だ。
この前半だけで100分は経過し、残りの時間は食事をしながらの立食形式でのフリータイム。話し足りない人は、誘い合って有志で2次会に行く。なお、気になった異性がいたら、その場ではなく「きっかけカード」をネット上で林さんに提出し、連絡先の交換を依頼することもできる。
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