公立幼稚園・保育園の廃止が急ピッチ、廃止を強行した東久留米市は是か《特集・自治体荒廃》

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「税収を有効活用。民間でできる業務は民間で」−−野崎重弥 東久留米市市長

東久留米市は2003年8月に「財政危機宣言」を出し、歳出の徹底的な見直しに着手した。その際、民間でできる公共サービスは思い切って民間に委ねるという方針を示した。公立保育園の全園民営化の方針表明や、保育園での調理業務の民間委託がその一例だ。また、学童保育では、これまで正規職の公務員が携わってきた業務を、嘱託職員や臨時職員に委ねた。そうしたことにより、正規職員は私が就任する以前と比べ、約2割に相当する200人超減少した。

財政危機宣言の際、06年度における財政調整基金に頼らない予算編成を目標に掲げ、実現を果たした。その後も財政調整基金の投入は行っているが、経常的経費には充当していない。あくまで臨時的な経費、新規の事業を行うために活用しており、議会からも理解を得ている。しかし、肝心の税収はさほど伸びていないうえ、世界的な経済危機の影響で再び厳しい状況に直面している。

保育園民営化では一定の配慮 公立幼稚園廃止の影響はない

市民1人当たりの市税収入を比較した場合、東久留米市は多摩地区26市の平均を下回っている。このような財政構造の市が行政サービスを確保していくためには、より効率的な税の活用を考えざるをえない。そうしたことが、公立保育園の民営化を進める理由の1つだ。民営化に際しては、今の園児が卒園するまで公立保育園を残すという配慮も示している。その点をご理解いただきたい。

公立幼稚園については、人口急増時に、私立幼稚園を補完する役割として設置された経緯がある。しかし、すでに4つの私立幼稚園が閉園に追い込まれ、既存の私立幼稚園も定員割れとなっている現在、公立幼稚園の補完的な役割は終わったという認識は正しい。(私立中心の)本来の姿に戻していくことが民の力を十分に発揮してもらえる方法ではないか。

(市の西部地区では公立幼稚園の廃止で市民に支障が出るとの指摘があるが)遠くない場所に私立の幼稚園がある。もともと市外の幼稚園に通う子どもも多い。市内の私立幼稚園も十分な定数を持っているので、公立を廃止しても幼稚園に入れないという状況にはならない。

のざき・しげや
1955年生まれ。日本大学卒。東久留米市職員、東久留米市議会議員を経て、2002年に市長就任。

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