①については、金融政策を変更する際にその説明を丁寧に行うため、日銀の「公式見解」が「主な意見」で紹介される可能性が高いことが挙げられる。そのため、日銀の「公式見解」と近い傾向のある執行部のコメント率と相関がみられたのだろう。
また、②の「金融緩和イベントダミー」とリフレ派コメント率(1会合ラグ)の相関係数は約0.39だった。この相関関係については、「金融緩和イベント」の前には経済や物価の状況が芳しくないケースが多く、積極的な金融緩和を主張するコメントが多く紹介されることが挙げられる。結果的に、積極的な金融緩和策の導入を主張することの多いリフレ派の委員(主に原田委員と片岡委員)のコメント率との相関が高くなったのだろう。
次回はまだ切り札を温存しておくのか
なお、原田委員のコメント率だけで相関係数を求めると、約0.46となり、一段と高くなる。リフレ派のうち、特に原田委員のコメント比率が上昇した次の会合は要注意である。
直近(7月29‐30日)の決定会合の「主な意見」の分類結果によると、リフレ派コメント率は約17.2%と、前回の約16.3%から小幅に上昇した。グローバルな金融緩和競争が厳しくなる中、追加緩和に動く可能性は高くなっている。もっとも、変化は小幅であり、水準はそれほど高くない。したがって、次回の決定会合において金融緩和策が発表される可能性はそれほど高くはないだろう。仮に政策が変更されたとしても、足元の市場金利の低下などに対応するための応急処置的な変更にとどまるだろう。
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