日経平均株価は「重要な岐路」に差し掛かった アベノミクス相場は継続か、それとも終了か
企業決算(主に3月期本決算企業の第1四半期)が本格化している。だが、日本株はもうしばらく値幅の狭い範囲内での動きを余儀なくされそうだ。実際、代表的な指標である日経平均株価のチャートからは、こうした動きを示す兆候が出始めている。
当面はなお膠着相場だが、突如大きく動く可能性も
7月24日の日経平均株価の終値は、前日比88円高の2万1709円だった。一方、短期・中期・長期の平均売買コストを示す25日・75日・200日の各移動平均線は、2万1500円前後で収束しつつある。このように、株価と移動平均線が、横ばい推移で同じような水準へ収束していく現象は、相場が方向感を失っているときに現れる。こうした膠着感を反映してか、売買高も一向に盛り上がらない。日本の多くの地域ではようやく梅雨は明けてきたが、株式市場の視界がすぐさま晴れる兆しはなさそうだ。
しかし、過去の経験則では、膠着状態が続いた後に、突如として相場が大きく動くケースが多い。実は、こうした動きは1年前にもみられた。昨年の日経平均株価は6月以降、2万2000円台を基本とする狭いレンジ(価格の動く一定範囲)での動きが3カ月余りにわたって続いた。いわゆる保ち合い相場が続いたわけだが、2万2172円(2018年9月7日)からは状況が一変、2万4448円(同10月2日)まで一気に急騰した経緯がある。
それまでは1000円程度に限定されていた値幅は、短期間で一気に倍増し、夏枯れ商状から結局、アベノミクス相場での最高値をつけた。2016年10月と2017年9月にも同様の急騰劇がみられた。ただし、問題はどこかで膠着相場が突如終わるとして、その方向がどちらに行くかだ。果たして、上昇へ行く可能性があるかどうか。
では、今回のケースでは、もし上値追いになるとしたら、何が要因になるだろうか。少なくとも、過去の上放れ局面では、株価が上昇するにつれて売買高が明らかな増加傾向を示している。逆に言えば、日本株市場から遠ざかっている買い手(主に外国人)を呼び戻すだけの動機づけがなければ、日経平均株価が上昇する方向へシナリオは描きづらい。
今回、筆者は引き続き半導体関連株の動向に注目している。半導体関連株が日経平均株価の年初来高値更新の起爆剤となりうる可能性が、ここにきてグッと高まってきたと見ているからだ。理由は2つある。
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