「議論をすり替える輩」にダマされる人の盲点 ツイッター上でも散見する「詭弁」の見破り方

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では、現代のソフィストたちが用いているのはどんな詭弁なのか?

おそらく、最もよく使われているものの1つが、原因と結果についての詭弁でしょう。これは、さまざまなメディアの記事やSNSの投稿などで、うんざりするほど見られます。

詭弁には4つのパターンがある

原因と結果についての詭弁については、さしあたり主な4つのパターンを押さえておくことが大事。これだけでかなり、詭弁にだまされたり、あるいは自分で気がつかないうちに詭弁を用いてしまうケースも減るでしょう。

1. 数ある原因の1つを唯一の原因のように語る

まず1つ目が、数ある原因の1つを唯一の原因であるかのように語る詭弁。これは他人を操ったり扇動しようとする人間の常套手段です。例えば、次のような。

「彼が事業に成功したのは、英語が堪能だったからです。英語の勉強をしましょう!」

まず絶対に知っておいてほしいのが、現実は複雑で、物事の原因は複数あることのほうが多いということです。例で言えば、彼が事業に成功したのは「英語」のおかげだけではないはずですし、トランプ大統領は、

「アメリカ中西部や南部が貧困化したのは、不法移民が仕事を奪ったせいだ。追い出そう!」

と言いますが、アメリカ中西部や南部の貧困化は、工場などの働き口が海外に移転したことや、若者が都会に流出したこと、それまでの歴史的な経緯なども強い原因だと言われていて、それをすべて「不法移民のせいだ!」ですますのは、どう考えても詭弁なのです。

良識ある人間は、複雑な出来事について安易に「全部アレのせいだ!」などとは断言しません。それが誠実な態度ではないことがわかっているからです。

そして、そんな状況だからこそ、ソフィストは「全部アレのせいだ!」と断言します。多くの人間が、複雑な事実より単純な詭弁を好むことを知っているからです。

誰もが原因を断言できないモヤモヤした雰囲気の中で、簡単に理解できる「全部アレのせいだ!」が出たとたん、「わかりやすい!」「それがホントにちがいない!」と諸手を挙げて歓迎してしまうのが、大衆というものなのです。

次ページ「全部アレのせいだ!」と飛びつく前に…
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