「議論をすり替える輩」にダマされる人の盲点 ツイッター上でも散見する「詭弁」の見破り方

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言葉巧みに気づかないまま、だまされてしまったことはないだろうか? 「詭弁」を使った手法には、4つのパターンがあるという(写真:アン・デオール/PIXTA)  
古典や名著、哲学を題材にとり、独自の視点で執筆活動を続ける高橋健太郎氏による連載「欧米エリートが使っている人類最強の伝える技術」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする

ベテランの行う営業トーク、イケイケの人物が行うスピーチやプレゼン、インフルエンサーのネットでの発言。その言葉にその場では同意し納得しながらも後で、

「今、考えるとどうもヘンだ」

と、感じたことはないでしょうか? それは、もしかしたら「詭弁(きべん)」を使ってだまされたのかもしれません。「詭弁」とは、言い方・話し方の工夫で正しくない内容を正しいように見せかける、いわば「フェイク議論」を組み立てるためのテクニックのこと。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

この「詭弁」は、古代ギリシャにまでさかのぼるほど歴史の古いものですが、現代でもさまざまな場面で、気づかないうちにわれわれを扇動し説得し、動かしています。

そこで今回は「詭弁」について解説します。騙されないために、そして自分で知らず知らずに使わないためにです。

「詭弁」は古代ギリシャからあった

そもそも、本連載が参照している弁論術という技術。弁論術の祖・アリストテレスがこの技術を説いた大きな動機の1つが、詭弁への対抗策を示すということでした。

というのも、当時のギリシャには、「徳を身に付けさせる」「知識を教授する」という触れ込みで、人を集めて金をとるソフィストという人々が跋扈(ばっこ)しており、彼らのほとんどは、適当な内容を「詭弁」で正しそうに見せかけるだけの悪質なエセ知識人だったからです。

アリストテレスは、彼らソフィストを「知恵に見えるが本当はそうでないもので金銭を稼ぐもの」(『ソフィスト的論駁』第1章)と呼んで軽蔑していましたが、ハッキリ言えば、この手のソフィストは今でもたくさんいます。

役に立たない考え方を成功への近道のように宣伝する人、しょうもないデマを画期的な新知識であるかのように拡散する人、自分の利益のために奇妙な論理で他人をだます人は、今でもそこら中にいるのです。

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