セブンペイ突如廃止!見切り発車の重い代償 わずか1カ月でサービス廃止を決断したわけ
セブンペイの廃止決定は、単にサービスの1つが終了するというにとどまらない。セブン&アイHDのデジタル戦略が修正を迫られることを意味する。
セブン&アイHDは、2015年11月に始めた通販サイト「オムニセブン」会員を変化させ、セブン-イレブンやイトーヨーカドー、ネットスーパーなどでアプリやECサービスを利用する顧客のIDを「7iD」と名付けてグループ内で共通化してきた。
これまでグループ内の事業会社ごとに散らばっていた顧客情報を一元化し、1人ひとりの購買行動を捕捉することで、グループで横断的に相互送客やクーポン配信などを行うのが狙いだ。
7iD会員を2021年までに3000万人へ
例えば、今年6月から7月にかけて20代~50代の女性アプリ会員に向け、グループ傘下の百貨店・そごうや西武で化粧品を注文し、セブン店頭で受け取った場合にコーヒーの無料クーポンをプレゼントするプロモーションを打った。その結果、セブンで商品を受け取った顧客のうち53.8%が、セブン店内の商品を購入する効果が生まれた。
5月時点の7iDの会員数は1500万人。セブン&アイHDは2021年2月期に会員数3000万人を目標に掲げている。セブンペイはこの目標達成の最大の武器となるはずだった。
セブン&アイグループの決済手段としては、6000万枚発行されている自社電子マネー「nanaco(ナナコ)」があり、これを通して購買情報を獲得している。ただ、スマホアプリと違って「双方向での情報のやりとりができない」(後藤副社長)短所があり、しばらく店舗に来なかった顧客に対して再訪を促すクーポンの配信などもできない。
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