数学的に考える「じゃんけん」で有利な手は何か

人間の癖を見抜き確率・統計からわかること

今から20年以上前、1996年9月2日の「くじの日」に、筆者は某民放の生番組に出演してナンバーズ4宝くじについて話した。「当たりそうな数字をぜひ紹介してほしい」という依頼であったが、「当たりそうな数字はありません。ただ、特徴のある4桁の数字が当せん番号になると、その賞金額は高くなる傾向があります」と回答した。それから約23年が過ぎた現在も、その内容は当てはまるようだ。

この当時、当せん番号の4桁の数字と賞金額を調べた結果、0から9までの4つの数字を順番まで含めて当てる「ストレート」に関して、賞金額が理論値 200(円)×10×10×10×10×0.45=90(万円)よりわりと離れている場合が少なくないことに注目した。

ちなみに宝くじ公式サイトには”ストレートの当せん金額は約100万円(理論値は90万円)!”と記載されている。

例えば2月19日を4桁にして表す「0219」のような、日にちに関係する4桁の数字が当せん番号になると、賞金額は一般に低い傾向がある。反対に9697や8775のように、重複のある数字を含んで5以上の数字だけで構成する4桁の数字が当せん番号になると、賞金額は一般に高い傾向がある。誰でも、自分の誕生日などの記念日を表す4桁の数字を予想し、それが当せん数字になればうれしいだろう。実はそのことが、予想数字が0、1、2、3、4に多く偏っていることにもつながっていると考える。

重複のある4桁が出る確率は49.6%

また、一般に重複のある数字はあまり出ないと思う人たちが多いようであるが、それは意外にも少なくない。実際、4桁の数字が全部異なる確率を求めると、1番目の数字aは0~9まで何でもよく、2番目の数字bはa以外の数字ならば何でもよく、3番目の数字cはa、b以外ならば何でもよく、4番目の数字dはa、b、c以外ならば何でもよい。それら全部の4桁の数字abcdは、10×9×8×7=5040(個)である。

4桁の数字は全部で10000個あるので、4桁の数字が全部異なる確率は50.4%しかない。そして、重複のある4桁の数字が当せん番号になる確率は49.6%もあるのだ。

講演会場などで「なんでも構わないので4桁の数字を想像してください。先頭が0でも構いません」と伝えて答えてもらうと、4桁の数字が全部異なる回答のほうが、重複のある4桁の数字の回答と比べて、かなり多くあるのが普通である。この傾向は、前半で述べた「人間は2回続けるじゃんけんで異なる手を出したがる」という性質と似ていることがわかるだろう。

本稿で述べたように、私たちの身の回りには実際に統計データをとってみると面白いことに気づくことはよくあるのだ。

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