外国人が欲しがる「日本の高級ブランド」5特徴 「ジャパンラグジュアリー」にも勝機はある
例えば、日本を代表するデザイナーズブランド、コムデギャルソンは、近年クリエイティブだけでなくビジネス面でも好調だ。2018年5月期の売り上げは240億円に達し、直近3年は年率10%近い成長を遂げている。ハートと目のマークで有名なプレイコムデギャルソンやCDGのようにわかりやすくキャッチーなサブブランドを展開し、グローバルのストリートブームをうまく刈り取っている。
しかしながら、グローバルで成功している日本発のデザイナーズブランドは、数としてはまだ少ない。実際パリコレでショーを行っている日本人のブランドは2ケタを超える一方で、ビジネスとして成功しているブランドはというと前述のコムデギャルソンやサカイなどひと握りだ。
では、日本発のデザイナーズブランドとして世界で成功するためには、いったい何が必要なのか。
成功のために不可欠な5つの日本的要素
そのカギの1つが、クリエーションにおける「日本らしさ」の付与にある。「日本らしさ」といっても、着物テイストや和柄といった単純なジャポニズムではない。
日本人デザイナーがパリコレクションでデビューして数十年が経過し、ジャポニズムは、いまや外国人デザイナーも用いる普遍的なテイストとなっている。
一方で、グローバルの消費者やメディアにとっては、「日本のブランドやデザイナー」と聞けば、ブランドの世界観に日本的な要素を期待するのも現実である。洋服の起源が欧州である以上、日本のブランドには日本で生まれた理由や背景やストーリーがあったほうが受け入れられやすい。
いま、「日本的な要素」として世界で受け入れられやすいキーワードは「ストリート」「テクノロジー」「ジャパンブルー」「ジャパニーズ・ミニマル」「アルチザン」の5つだと考える。それぞれについて、簡単に説明しよう。
「ストリート」は現在、ラグジュリーにおけるグローバルトレンドになっており、最も旬なキーワードである。
日本の裏原文化については海外でもよく知られており、「アンダーカバー」「アベイシングエイプ」「グッドイナフ」などのブランドの影響を受けているデザイナーは、エディ・スリマンをはじめ著名人にも多い。
日本の若手デザイナーズブランドにおいても、ストリートテイストのものが増えている。しかし、先にあげた本家裏原ブランドを超えるものは出ておらず、これらを超える次世代のストリートムーブメントが現れるか否かがカギとなるだろう。
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