ヒラノテクシードは、塗工機・化工機関連機器を柱とする独立系のメーカーで、奈良県に本社を置く上場企業だ。「熱と風」をコア技術に、国内外で事業を展開している。また、同社はOff-JT制度の拡充やデスクのフリーアドレス化など、人材の育成や働き方改革にも取り組んでいる。
『都市データパック』2019年版によると、奈良県に本社を置く上場企業はわずか4社。地元での就職を希望する学生にとって同社は魅力的な就職先に見えるだろう。
製造業の新卒3年後定着率は高い
最後に、業種別にみるとランクイン企業(上位300社)では化学(43社)、電気機器(35社)、機械(29社)が多く、全体でも製造業の平均定着率が高かった。
小売業(64.7%)、倉庫・運輸関連業(69.6%)、サービス業(70.1%)などの非製造業の定着率は低く、倉庫・運輸関連業は前年比マイナス12.7ポイントと大幅に定着率が低下している。
本調査は任意の調査であり、全企業平均よりも高い数値が出やすいことを勘案すると、定着率の低下傾向は実際の数値よりも大きいだろう。
非製造業では、人手不足に起因する労働負担の増加など構造的な問題が定着率を押し下げていると考えられる。
辞めないことが手放しで肯定される時代ではないが、学生にとってファーストキャリアは重要だ。
新入社員の半数以上が3年以内に辞めていく企業(本調査で定着率50%以下の企業は53社)は、果たしてその一歩にふさわしいだろうか。
また、労働人口が減少していくなか、そのような状態にある企業は人材に関する意識・施策を改める必要があるのではないだろうか。
学生には納得のいく就職先選びに、企業には自社の人材施策を省みる機会に、いま一度「3年後定着率」を確認してみてほしい。
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