いよいよ貯金も底をつき始めたとき、誰でも受かると思って風俗店の店員の仕事に応募。予想どおり受かったが、待っていたのはまたもや激務だった。仕事を覚えれば覚えるほど任される仕事が増える。しかしその分、昇給のスピードも早い。1日13時間以上拘束の月給28万円だったが、過酷な労働環境に耐えられず半年で辞めた。
「ロスジェネ世代の人でもきちんとした会社で働いて家庭を持っている人もいるんですよね。時代が悪いのか、自分が悪いのかよくわからないです。僕はこれまでとくにやりたい仕事がなかったので、やりたいことがある人がうらやましいです。
今はありがたいことにライターの仕事もリピートしていただけていますが、知らないことを知れるのが楽しいし、目の前にあるからやっているというか。先日は、とあるトレーダーさんを取材するために株の勉強をしました。
そうやって、何か目的があると取り組めるのですが、何もゴールがないと大学や専門学校が続かなかったように、続かないんです。今、ライター業だけでは厳しくて、4月なんてライターとしての収入は4万円でした。だから、週3回、ラーメン屋のバイトもしています」
結婚を考えていた相手に浮気をされ…
そんな健一さんだが、過去に結婚を考えたことは2回ある。1回目は22歳のとき。若気の至りの勢いもありお互い「結婚しよう」と言っていたが、後に彼女の浮気が発覚し破局。2回目は33歳の頃、趣味のサークルで知り合った女性と半同棲までして、土日は一日中一緒にいた。しかし、またもや浮気されてしまった。それも二股以上だった。
「平日、彼女の家に帰ったら、電気をつけっぱなしでスマホも充電せずに寝てしまっていたので、スマホを充電しておいてあげようとケーブルにつないだら、LINEの通知画面が表示され、明らかに浮気の内容のメッセージでした。でも、出来心かもしれないので1度目は見逃しました。でもその半年後、お風呂にもトイレにもスマホを持っていくようになり、2人で並んでテレビを見ていても、微妙にこちらに見えない角度でスマホを触っているんです。
それまではそんなことなかったのに。それで、浮気について問いただしたらあっさり認めて、しかもわかっているだけでも4股なんですよ。何人と浮気したのか聞いたら『4〜5人かな』と人数を濁したので……。この期に及んでまで濁すのかと。もちろんすぐに別れました。複数人と浮気をされてとにかく悲しかったのですが、後から一気に怒りがこみ上げてきて、当時はSNSで荒れてしまいました」
恋愛に関して悲しい思い出のある健一さん。機会があれば結婚をしたいと言うが、「年収200万円の今は、客観的に考えて無理でしょう。年齢も38歳ですし」と肩を落とす。酷な現実だが確かにそうだ。同じ世代で結婚をしたり仕事がうまくいっていたりする人に対して嫉妬心は湧かないのかと聞くと「その人が今まで積み上げてきたものなので、ちゃんとしているなと思う」と、ねたましさなどの負の感情はないとのことだった。
昔は韓国人と結婚しろとうるさかった親も、健一さんのきょうだいが日本人と結婚したこともあってか、最近は韓国人にこだわらなくなったらしいが、やはり結婚のプレッシャーはかけられている。今の時代、40代前後での結婚も珍しくない。今後、健一さんが結婚の機会に恵まれるための第一歩は年収を上げることだろう。本人が特別に悪いわけではないのに自己責任と言われてしまうのがロスジェネ世代なのだと、改めて実感した取材だった。
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