MMTに強い違和感を感じざるをえない2つの理由 日本の「過度な財政均衡主義」修正には一役か

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MMT(現代貨幣理論)は、日本にとって少しは意味があるかもしれない(写真:Cairo/PIXTA)

アメリカで経済論争を巻き起こしているMMT(現代貨幣理論)の提唱者の1人、ステファニー・ケルトン教授(NY州立大学教授)が来日した。MMTは「異端の経済理論」と紹介されるとともに、これについてさまざまな見解が伝えられている。筆者は東京都内で行われたケルトン教授の講演会(7月17日)に参加する機会に恵まれたので、今回のコラムではこれを紹介したい。

MMTは「財政均衡主義」への「解毒剤」になり得る

MMTの理論は幅広い分野に及んでいるため、筆者は、MMTについて全てを十分理解しているわけでない。ただ投資家の視点からは、ある程度理解を深めることができたと考えている。

まず、MMTが異端の経済理論とされる特徴の一つは、財政赤字や公的債務の規模にとらわれずに、財政赤字を大きく増やすことが可能、と主張する点である。日本では「わが国は財政危機に直面している」という認識は半ば常識になっている(筆者自身はこの認識に極めて懐疑的である)が、この点、MMTは日本の常識とは真逆とも言える。このため多くの方々やメディアも関心を寄せているのだろう。

この点に関しては、浜田宏一内閣府参与が「ダイヤモンドオンライン」のインタビューで述べているが、筆者は「MMTは均衡財政への呪縛を解く解毒剤になる」という評価が、的確であると考えている。日本では「政府部門の借金が増えてきた」という現象や高齢化を理由に「財政健全化こそが最重要課題」と、(筆者からみれば)根拠が薄弱な見解が多くみられる。浜田氏は、筆者と同様の見解を持っているとみられるが、日本の「根強い均衡財政主義」に基づいた財政運営が過度な締め付けとなってきた、とも述べている。

その意味で、日本のような財政赤字の国で、経済成長率を高めるために、財政政策を大規模に行うことは、政策手段として取りうることを理解する一つの理屈として、MMTは解毒剤になりえるだろう。なお、筆者自身は、これまでも一般向けのコラムだけではなく、経済分野の専門書に掲載した論説などで、日本の財政問題の本質について同様の指摘を行っている。

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