京都中心と南部でまったく違う「高速網の役割」 南部のJCT・ICは関西の生産・物流拠点に変化

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京都中心部の全景。南部では高速網の整備が進んでいるが、中心部に高速道路は通っていない(筆者撮影)

季節を問わず多くの観光客でにぎわう歴史文化観光都市、京都。京都は大丸、髙島屋(この二つは京都が発祥)、伊勢丹など老舗百貨店が並ぶ商業都市でもあり、東京に次いで多くの大学が集中する学園都市でもある。

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さらにワコール、任天堂、京セラ、オムロン、島津製作所など名だたる企業の本社や工場が立地する産業都市でもあり、多くの通勤・通学・買い物客が観光客に混じって移動する。

しかし、その規模の割に鉄道が他の大都市ほど幾重にも張り巡らされた路線網を持っていないだけに、おのずと道路交通の果たす役割が大きい。そんな京都の高速道路事情を考えてみたい。

中心市街地に高速道路が走らない数少ない大都市

東京でも大阪でも、都心のど真ん中を都市高速道路が高架上を走る光景は、すっかり日常に溶け込んでいる。銀座や渋谷、梅田や中之島などでも、高速道路が当たり前のように景観の一部を成している。しかし、よく考えてみると、パリでもロンドンでも街の顔と言える中心街に高速道路が行き交っているという景観は目に入ってこない。

人口100万人を超す日本の12の大都市(東京23区を含む)のうち、市街地の中心部で高速道路の姿を見ないのは、京都市のほかには仙台市くらいであろう。札幌市は都市高速道路はないが、中心部の周縁を札樽道と道央道が走っており、札樽道は北34条の真上をほぼ東西に走っているので、中心市街地に高速道路が走っていると考えてもよいだろう。

仙台市も都市高速道路はなく、仙台駅周辺に高速道路は見られないが、市内のメインストリート、広瀬通りと東北道の仙台宮城ICは青葉山直下を貫く自動車専用道路(仙台西道路)で直結しており、市の中心から高速のICまで10分もかからずアクセスできるので、高速道路がない不便さはそれほど感じられない。こうして見てくると京都市は日本の大都市では高速道路の恩恵とその影響を最も受けていない都市といえるかもしれない。

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