Mr.都市伝説 関暁夫さんの独特キャリアの秘密 「個」の時代を生きるのに必要な「レア力」とは
小宮山:「レア力」とは文字通り、「rare(極めてまれなこと、希少なこと)」な能力で、「人と違う強み」という意味で言っています。それを私が意識したのは、家庭環境がきっかけでした。
父親はアルコール中毒で、子どもに暴言を吐きながら包丁を向けたり物を投げつけたりするような人でした。家も貧しかったので、自分は普通の子どもたちとは違うという意識が強くなり、10歳ごろまではゲームセンターに通ったり、いたずらばかり起こす問題児だったのです。
でも母の「教育は機会を与えてくれる。学べば学ぶほど人生の選択肢が増える」という言葉を聞いて、勉強に目覚めました。「自分は学ぶことでしか生きられない」と思ったんですね。それからは、高校、大学、大学院とすべて奨学金をいただいて進学することができました。給付型奨学金をもらって韓国やチュニジアにも留学しました。
やりたいことをやるためには、学び続けて、口に出して、行動し続けなければいけない。そう思って転職も繰り返しました。でも、自分を出せずに一歩踏み出せない人は少なくないようにも感じます。
「可能性がある話」に対して“ときめき”を感じていた
関:僕は、自分を出せない人は、好きなことをすると周りから嫉妬されるのではないか?と恐れているのだと思います。いやなことも我慢して生きている人から叩かれたりひがまれるのが怖くて、自分を出せない。自分を出して楽しく生きている人をリスペクトして共感することができれば、変わると思うんです。
小宮山:関さんは、「Mr.都市伝説」という唯一無二のポジションを作られましたが、都市伝説的なものに目覚めたきっかけは何だったんでしょうか?
関:子どもの頃から、すし屋の住み込みの従業員やお客様の大人に囲まれて生活していたので、人間の裏と表を観察していました。世の中の話をいろいろ聞いて育ったんですよね。その中でもとくに、もしかしたらそうなのかもしれないと思える、「可能性がある話」に対して“ときめき”を感じていたんです。同時にそこから探究心も生まれました。
例えば、実家のすし屋の常連客に大学の先生がいて、「学校の教科書に書いてあることはお勉強のためのもので、本当はこういうことだからな」と、坂本龍馬の話などをしてくれたわけです。子どもって、誰も知らないような本当の話が大好きだし、世の中でもそこが一番面白いですよね。その面白さや楽しさを探究する延長線で今までずっとやってきた感じです。
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