Mr.都市伝説 関暁夫さんの独特キャリアの秘密 「個」の時代を生きるのに必要な「レア力」とは

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「好き」を究めて自分の市場価値を上げるため何をすべきか。Mr.都市伝説 関暁夫氏と小宮山利恵子氏に語り合ってもらいました(撮影:梅谷秀司)
大手企業での早期退職者募集が増加し、終身雇用がいよいよ崩れ始めている。これから本格化するのは“個人戦”の時代。組織を出ても通用する自分の強みは何なのか。そもそもその源泉ともなる“やりたいこと”がわからない人はいったいどうすればいいだろうか。
国会議員秘書からベネッセコーポレーション福武總一郎会長秘書、グリーを経て、現在はスタディサプリ教育AI研究所所長と東京学芸大学大学院准教授を兼任する小宮山利恵子氏は、組織横断的に動きながらそんな時代を自由に生きる一人。7月に『レア力で生きる』を著した小宮山氏が、競争の激しいお笑い芸人の世界で「Mr.都市伝説」として独特のポジションを築き上げたストーリーテラー・関暁夫氏と、「好き」を究めて自分の市場価値を上げるため何をすべきか語り合った。

3年間の寮生活で「人と向きあうこと」を覚えた

小宮山利恵子(以下、小宮山):関さんは、お笑い芸人でありながら「都市伝説」のストーリーテラーとして、独特の地位を築き上げ、多数のベストセラーもお持ちです。さらに現在は自由が丘でカフェを経営されるなど、独自のキャリアを追求しておられます。

もともと都市伝説のような話がお好きだったということですが、自分の「好き」に正直に生きるために行動を起こしたのはいつ頃ですか?

関暁夫(以下、関):実家がすし屋で、物心ついた頃から自分が跡を継がなきゃいけない空気があったんですよ。それもあって、中学時代はひねくれていたら、手がつけられないと思われて、東京から離れた伊豆大島の高校に入ることになったんです。当時の東京都大島南高校(現・東京都立大島海洋国際高等学校)という海の学校で、3年間寮生活をしたのですが、そこで人間が180度変わったんですね。

同じ学校の生徒や先生たちと同じ釜の飯を食って、一緒に風呂に入って、24時間集団生活をすることで、友情を知り、生徒同士の団結力を知り、人と向きあうことを覚えた。その経験によって自分の中の歪んでいたものが矯正されて、更正したんですね。

19歳の時には、跡を継ぐことを期待する親ときちんと向き合うことを決めました。そこで「芸人になりたい」と自分がやりたいことをカミングアウトしました。それが、自分のやりたいことに向けて動いた第一歩ですね。

そうしてやってきた経緯があるので、小宮山さんの『レア力で生きる』という本には、僕も素直に共感できるんです。「レア力」というのは「個」を追求した姿で、そのためには「自分を表に出す」ことが大事なんですよね。

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