「アートのお値段」が訴える美術作品の投機現象 「お金」はアート作品を汚すものなのか?

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アートとお金の関係に迫ったドキュメンタリー『アートのお値段』は、8月17日に公開予定(東洋経済オンライン読者向け試写会への応募はこちら)(写真:配給会社提供)

2018年11月、イギリス人の現代アーティスト、デイヴィッド・ホックニーの絵画「芸術家の肖像画‐プールと2人の人物‐」が、存命の芸術家の作品としては史上最高額となる9031万2500ドル(約97億円)で落札されたというニュースが世界中を飛び交った。

8月14日(水)に独占試写会を開催します(上記バナーをクリックすると応募画面にジャンプします)

だが、それから1年もたたない2019年5月、今度はアメリカの現代アーティスト、ジェフ・クーンズの彫刻作品「ラビット」が、それを上回る9107万5000ドル(約98億円)で落札されたことが広く伝えられた。世界のアート市場はかつてないほどのバブルに沸いている――。

8月17日より渋谷ユーロスペースほか、全国順次公開予定のドキュメンタリー映画『アートのお値段』は、なぜ現代美術が超高額で売れるのか、アートとお金の関係に迫った内容となっている。

アート作品が約100億円で落札

映画の冒頭、オークショニア(競売人)のシモン・デ・プリはこう語る。「アートとお金は切り離せない。いい作品は高価であるべきです。価値があるから保護される。金銭的価値がなければ、作品は守ってもらえません。芸術品が生き残る唯一の道が商業的価値を持つことなのです」と。

現代は世界中にコレクターが存在し、有力なアート作品がオークションに出品されると、数万ドル、数十万ドルといった単位でグン、グン、グンッと値が上がっていき、あっという間に数百万ドル、数千万ドルという値が付いていく。アートは富裕層の投機対象となり、現代美術界のマーケットは肥大化の一途をたどっている。

アートはいつから商品となったのか? 誰が何のために買っているのか? そもそもアートの価値とは何なのか? 本作を手がけたナサニエル・カーン監督は、そういった素朴な疑問を美術界の有力者たちにダイレクトにぶつけながら、お金と芸術の関係性を探っていく。

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