日本人が「フェルメールの価値」を語れない訳

「感性」に頼らない美術鑑賞の秘訣とは

ヨハネス・フェルメール作『牛乳を注ぐ女』より、部分(画像:Public domain, via Wikimedia Commons)
早くも来場者数10万人を突破して話題の「フェルメール展」。来場者の多くが、その作品の美しさに圧倒されているが、美術展を訪れた際「色がとてもきれい」「まるで写真みたいに精密だ」という感想だけで終わっていないだろうか。
アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏、アメリカのヤフー元CEOのマリッサ・メイヤー氏、エアビーアンドビー創業者の1人であるジョー・ゲビア氏など。ビジネスの世界にはアートに影響を受けた人物は少なくなく、アートの教養をビジネスに生かしていることもでも知られている。
そこで、今回は、『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』を執筆した東京藝術大学大学美術館・館長の秋元雄史氏に、「感性に頼らずに価値が語れる美術鑑賞」の仕方を指南してもらおう。

日本美術と西洋美術はまったく異なる

西洋美術を鑑賞するうえでの大前提は、「革命の歴史」ということだ。これを踏まえずに、同じ視点で西洋美術と日本美術を鑑賞すると、作品の評価を見誤ってしまう。

日本美術は「伝統」が重んじられる傾向が強く、いかに技術や考え方を継承しているかがポイントになる。一方で、西洋美術は「革命」がキーワードになる。それまでの芸術をいかに壊して、新しい価値を生み出しているのかがポイントなのだ。いわば、「イノベーションの歴史」ともいえる。

そのため、西洋美術を味わいたいときには、「以前の芸術と比べて革命的な点」がわかる知識が必要になる。何も下調べせずに作品鑑賞しようというのは、無謀なのだ。西洋美術の美術展では、知識をベースに鑑賞する「西洋美術脳」に切り替えなければならない。

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