『攻殻機動隊』が子供番組に進出、版権ビジネスを狙う

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 問題は、今後も断続的にオリジナル原作作品を生み出し、版権ビジネスを伸ばしていけるかどうか。

東アニの大山常務は、「商品が売れるどうかは作品次第。仕組みや商品化ありきでは、良い作品は絶対にできない」と断言する。実際、東アニと並ぶ業界の老舗、トムスエンタテインメントは『巨人の星』『ルパン三世』『アンパンマン』など人気作品を数多く抱え、版権収入も大きい。だがいずれも原作付きアニメで、オリジナル原作での成功例はない。「完全なオリジナルを作るほうが収益性が高いのは承知しているが、実際に作るのは難しい」と同社IR担当は打ち明ける。

難しいことはIGの石川社長も覚悟している。「頭でっかちな人は、いつも最短コースで成功することを考えている。でも世の中そんなに甘くない。エッジを効かせて良い作品を継続的に生み出していけば、ウィズさんのような相手と出会え、それが結果として版権ビジネスにつながることもある」。

石川社長にとって『ケータイ』は、「エッジの効いた作品」という意味で、他のIG作品と何ら変わらない。当初ウィズの横井社長は、IGと組むのだから当然アニメでやるものと考えていた。だが出た案は実写だった。「実写の玩具とアニメの玩具では、子供はどちらを喜ぶか。そりゃ実写でしょう」(石川社長)。アニメという決め球をあっさり捨てたのである。この選択こそ、石川流のエッジの効かせ方だったのだ。

子供向け版権ビジネスの第一弾である『ケータイ』はひとまず船出した。だが石川社長に“2匹目のどじょう”はない。続く第2弾はどんな手を繰り出してくるか注目だ。

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(大坂直樹 撮影:田所千代美 =週刊東洋経済)

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