例えば、1回線目をauの「新auピタットプラン」にしつつ、2回線目のIIJmioのeSIMを設定したとする。auの料金プランは4GBを超えると料金は5980円になり、7GBを超えると通信速度が128Kbpsに制限される。
そのままIIJmioのeSIMを足すと、料金は7500円に跳ね上がってしまうが、au分の通信量がゼロになれば、料金は2980円まで下がる。そのため、2回線合計で料金は4500円に収まる。auに5980円払っていたときより、料金が1480円安くなるというわけだ。
契約も簡単で、IIJmioのサイトでアカウントを取得したあと、eSIMを申し込むだけ。ショップに出向いたり、SIMカードが郵送されるのを待ったりする必要がない。設定は、IIJが発行したQRコードをiPhoneで読み取るだけ。
「設定」アプリから「モバイル通信」に進み、「モバイル通信プランを追加」をタップすると、カメラが起動する。IIJmioの回線は、音声通話には対応していないため、「デフォルト回線」はメインで使っている通信事業者のままにしておくようにしたい。
なお、大手通信事業者が販売するiPhoneの場合、あらかじめSIMロックを解除しておく必要がある。各社とも、一括購入の場合は即日、分割払いの場合は購入から100日経過していていれば、SIMロックの解除が可能になる。
ショップでもできるが、手数料がかかってしまうため、オンラインで済ませたほうがお得だ。ドコモは「My docomo」、auは「My au」、ソフトバンクは「My SoftBank」でそれぞれ手続きすることができる。アップルから直接購入したSIMフリー版の場合は、SIMロックを解除する必要がない。
ただし、格安スマホは、大手通信事業者から借りた帯域を、ユーザーが分け合って使用するため、通信が集中する時間帯は速度が出づらい。実際、筆者が試したIIJmioのeSIMも、12時台は下りの速度が1Mbpsを切ってしまった。ニュースなど、比較的軽いサイトは見ることができるが、アプリのダウンロードなどには向かない点は、あらかじめ理解しておきたい。
2.高速通信をオフにしてギガ不足を防ぐ
eSIMとはいえ、ほとんどの仕様はSIMカード型のサービスと同じ。余ったデータ容量は翌月に繰り越せるうえに、容量が足りなくなったときは、100MBずつ容量を追加することも可能だ。
大手通信事業者の場合、1GBで1000円かかるが、IIJmioは100MBごとに200円。MB単価はIIJmioのほうが高いものの、細かく容量を増やせるため、“ギガ不足”になったとき、最適な容量を選べる。
また、大手通信事業者にない機能として、高速通信をあえてオフにして、データ容量を消費しないようにすることもできる。この場合、速度は最大200Kbpsに絞られてしまうが、文字中心のSNSやニュースなどを見るのであれば、ガマンできる範囲かもしれない。iPhoneはバックグラウンドでも通信するため、普段は高速通信をオフにしておき、手に取って使うときだけオンにすることもできる。データ容量を節約すれば、ギガ不足に悩まされることもないだろう。
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