女性の貧血を「自己責任」と切り捨てる人の盲点 日本では健康な女性でも2割以上が対象に

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こうした現状を考えると、私はダイエットの影響による貧血は自己責任では片付けられないと思っています。

また、40代になると子宮筋腫を発症する人が増えます。

子宮筋腫になると、経血量が増える。つまり出血によって鉄が不足してしまうのです。いくら鉄を摂取していても、出ていく量が多ければ貧血になるのは当然ですよね。

貧血というのは、基本的には予防できる疾患です。ですが、ダイエットや子宮筋腫など、どの年代でどういった理由から貧血になりやすいという基本的な情報が、まだまだ一般の人には知られていません。

近年注目を浴びるスポーツ貧血

ここまで、女性の貧血についてご紹介してきました。日々病院で患者さんを見ていても、貧血は圧倒的に女性に多い疾患です。

しかし、男性も貧血になりますし、乳幼児、中高生、高齢者も貧血になります。

ですが、性別や年齢にかかわらず、自分がどういった貧血になりやすく、何に気をつけるべきなのかを知っている人はまれです。

たとえば、近年注目されている「スポーツ貧血」。その名の通り、スポーツをする人が鉄欠乏性貧血になることです。

2009年の国民体育大会で強化指定選手である中学生、高校生、成人170人のうち、25.3%が鉄欠乏性貧血でした。

成人女性は50%で最も高く、次いで高校女子が27.9%、高校男子が24.7%だったといいます。

なぜ、一見健康そのものに見えるスポーツをする人が貧血になってしまうのでしょうか。

大きく3つの原因があると考えられています。

1つ目は、筋肉量の多さです。

筋肉は多くの酸素を消費します。酸素を運ぶヘモグロビンも、その酸素を筋肉内に溜め込むミオグロビンも主な成分は鉄です。なので、筋肉量が多いと鉄の需要が増え、鉄欠乏に陥りやすいのです。

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