女性の貧血を「自己責任」と切り捨てる人の盲点 日本では健康な女性でも2割以上が対象に
2つ目は、発汗です。
汗には、鉄などさまざまなミネラルが含まれています。汗には塩分や鉄分が含まれているのですが、通常は大部分が再吸収され、喪失は最小限で食い止められています。
しかしスポーツで急激に大量の汗をかくとその再吸収が間に合わず、汗とともに鉄が失われてしまうんです。
3つ目には、運動による衝撃で赤血球が壊れてしまうことが挙げられます。作られる赤血球数より壊される数が多くなり、貧血になってしまうんです。
マラソン、バスケットボール、サッカーなどの、体への衝撃が大きい競技で起こりやすい現象です。
こうした情報も、運動をする人に十分知られているとはいえません。
加えて言えば、乳幼児にはミルクだけでは鉄が足りず、離乳食を適切な時期に食べ始めないと鉄不足で貧血になるおそれがあります。
成長著しく、活動量の増える小学生は鉄の需要が増えるので、食生活が乱れてしまうと途端に鉄不足になります。
高齢者の場合、何らかの疾患の影響で貧血が引き起こされるケースが多々あります。
貧血を社会で考えるべき理由
女性だけでなく男性も、乳幼児から高齢者まで関わる問題なのに、ひどい痛みを伴ったり、体が動かなくなるわけではないので、軽く見られがちな貧血。
病気なのに、病気だという認識が社会においては希薄です。
私は貧血について社会で考えるべきだと思っています。それは別に、税金を使って鉄剤を配ってほしいなどと言っているわけではありません。
痩せていることを美しいとする社会の風潮や、知識不足が貧血を引き起こしている面があるので、学校教育などできちんと知識を身につける機会を作ってほしいということなんです。
繰り返しになりますが、貧血は正しい知識で対策を打てば予防できる疾患です。
せっかく予防できる病気なのだから、貧血になってから病院にくるのではなく、貧血にならないように意識して、元気に過ごしてほしい。
そんな思いから、日々情報発信を行っています。
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